仕上がりサイズと塗り足しの違いとは?印刷物サイズの基本知識
2026.02.26

印刷物を作るときに必ず出てくる言葉のひとつが「仕上がりサイズ」と「塗り足し」です。チラシやパンフレット、名刺などを作ろうとした際に、印刷会社の案内やデザインソフトの設定画面で目にして戸惑った経験がある方も多いのではないでしょうか。完成した印刷物の大きさだとなんとなく理解していても、原稿サイズとの違いや、なぜわざわざ少し大きく作る必要があるのかまでは、はっきり説明できないという方も少なくありません。しかし、この仕上がりサイズと塗り足しの考え方をきちんと理解しておくことで、印刷トラブルを防ぎ、きれいで見やすい印刷物を安心して作れるようになります。
仕上がりサイズとは、実際に完成した印刷物のサイズのことで、A4やA5など日常でもよく使われる大きさが基準になります。一方、塗り足しはその仕上がりサイズの外側に追加する余分な部分で、断裁時のズレによって白い線が出てしまうのを防ぐために欠かせない存在です。この塗り足しを含めたサイズが原稿サイズとなり、印刷会社へ入稿するデータの大きさになります。たとえばA4仕上がりの場合は、上下左右に3ミリずつ塗り足しを加えた303ミリ×216ミリが原稿サイズとなります。
一見すると少しややこしく感じるかもしれませんが、仕組み自体はとてもシンプルです。完成したときの大きさを基準に考え、そこに安全のための余白を足してデータを作るという流れを覚えるだけで、印刷物づくりはぐっとスムーズになります。この記事では、仕上がりサイズの基本から塗り足しの役割、原稿サイズとの違い、具体的な計算方法、よくあるトラブルや注意点まで、印刷初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。これから初めて印刷物を作る方はもちろん、これまでなんとなく作業してきた方にとっても、きっと役立つ内容となっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 仕上がりサイズとは何か?印刷初心者でもすぐ理解できるように解説
- 塗り足しとはどんな役割がありなぜ必要になるのかを解説
- 仕上がりサイズと原稿サイズの違いを混乱せずに理解する考え方
- A4仕上がりを例に塗り足しを含めた正しいサイズ計算方法を紹介
- 塗り足しを入れ忘れると印刷で起こるトラブルを具体的に解説
- チラシやパンフレットなど印刷物ごとの仕上がりサイズの考え方
- デザイン作成時に仕上がりサイズを意識するポイントを初心者向けに解説
- 印刷会社に入稿する際に確認すべきサイズ関連の注意点
- デジタルデータと実際の印刷物サイズがズレる理由をわかりやすく説明
- 初めてでも安心して印刷物を作るためのサイズ基礎知識まとめ
- まとめ
- よくある質問Q&A
仕上がりサイズとは何か?印刷初心者でもすぐ理解できるように解説

印刷物を作るときによく目にする言葉のひとつが「仕上がりサイズ」です。チラシやパンフレット、ポスター、名刺など、どんな印刷物にも必ず関係してくる大切な考え方ですが、初めて印刷に関わる人にとっては少しわかりにくく感じることも多いかもしれません。仕上がりサイズとは、簡単に言うと「実際に完成した印刷物の大きさ」のことを指します。印刷が終わり、余分な部分をカットしたあとに手元に残る最終的なサイズが仕上がりサイズになります。
たとえば、よく使われるA4サイズのチラシを想像してみてください。完成したチラシを測ると縦297ミリ、横210ミリになっています。この数字こそが仕上がりサイズです。多くの人が普段使っているコピー用紙と同じ大きさなので、イメージしやすいでしょう。このように仕上がりサイズは、印刷物の完成形をそのまま表しているサイズだと考えると理解しやすくなります。
ここで大切なのは、仕上がりサイズと「デザインデータのサイズ」は必ずしも同じではないという点です。印刷の世界では、きれいに仕上げるために「塗り足し」と呼ばれる余白部分をあらかじめデータに含めて作成するのが一般的です。そのため、パソコンで作る原稿サイズは、仕上がりサイズよりも少し大きくなります。しかし完成した印刷物として手に取るサイズは、あくまで仕上がりサイズになります。
初心者の方が混乱しやすいポイントは、「印刷会社に渡すデータサイズ」と「完成品のサイズ」を同じものだと思ってしまうことです。実際には、印刷会社が断裁という工程で周囲をカットし、指定された仕上がりサイズに整えています。つまり、仕上がりサイズはゴールとなる完成サイズであり、原稿サイズはそのゴールに向けて少し大きめに作られている準備用のサイズだと言えるでしょう。
なぜわざわざ少し大きく作る必要があるのかという疑問も出てくるかもしれません。これは印刷の工程上、紙をぴったりミリ単位で切ることが難しいためです。ほんのわずかなズレでも、デザインの端に白い線が出てしまうことがあります。それを防ぐために、仕上がりサイズより外側にはみ出すように色や写真を配置し、あとからカットしてきれいな仕上がりにする工夫がされています。この仕組みを知っておくと、仕上がりサイズの意味がよりはっきりと理解できるようになります。
仕上がりサイズを正しく理解しておくことは、印刷トラブルを防ぐうえでもとても役立ちます。たとえば「思っていたよりも小さく仕上がった」「文字が端で切れてしまった」「デザインがずれて見える」といった問題の多くは、サイズの考え方を誤っていたことが原因で起こります。最初から仕上がりサイズを意識してデザインを作成すれば、こうした失敗を大きく減らすことができます。
また、仕上がりサイズは用途によって選ばれることが多いのも特徴です。A4サイズはチラシや資料配布用としてよく使われますし、A5サイズは小冊子やリーフレットに向いています。B5サイズは学校関係の印刷物で見かけることが多いでしょう。このように、目的に合った仕上がりサイズを選ぶことも、読みやすさや使いやすさにつながります。
印刷初心者の方は、まず「仕上がりサイズ=完成品のサイズ」という基本をしっかり押さえておくことが大切です。そのうえで、原稿サイズには塗り足しが含まれるという考え方を少しずつ理解していけば、印刷の流れが自然と見えてくるようになります。難しく感じるかもしれませんが、仕組み自体はとてもシンプルです。
これから印刷物を作る予定がある方は、デザインソフトを開く前に「どのサイズで完成させたいか」をまず決めてみてください。そのサイズが仕上がりサイズになります。そして、そのサイズをもとに原稿サイズを設定していくことで、スムーズに印刷用データを作成できるようになります。
仕上がりサイズは印刷物づくりの土台となる考え方です。ここをしっかり理解しておくことで、デザインの自由度も広がり、印刷会社とのやり取りもスムーズになります。初心者のうちにこの基本を身につけておくと、今後どんな印刷物を作るときにも役立つはずです。
塗り足しとはどんな役割がありなぜ必要になるのかを解説

仕上がりサイズと並んで必ず覚えておきたい言葉が「塗り足し」です。印刷の説明を見たり、印刷会社の入稿データ案内を読んだりすると、ほぼ必ず登場する言葉ですが、初めて見ると意味がわかりにくく感じるかもしれません。塗り足しとは、仕上がりサイズの外側にあらかじめ追加しておく余分な部分のことを指します。この部分は最終的にカットされてなくなりますが、きれいな印刷物を作るためにとても大切な役割を持っています。
なぜ塗り足しが必要になるのかというと、印刷物は機械で大量にカットされるため、どうしてもわずかなズレが発生するからです。紙を何百枚、何千枚とまとめて断裁する際、すべてを完全に同じ位置で切ることは非常に難しく、ほんの1ミリほどずれてしまうことも珍しくありません。このズレがある状態で、仕上がりサイズぴったりにデザインを作ってしまうと、端の部分に白い余白が出てしまうことがあります。
たとえば、背景が全面に色で塗られているチラシを想像してみてください。デザインデータを仕上がりサイズぴったりで作っていると、カット位置が少し内側にずれた場合、色が足りずに紙の白い部分が見えてしまいます。見た目としてはとても目立ち、せっかくのデザインが台無しになってしまうこともあります。そこで役立つのが塗り足しです。
塗り足しを設定すると、仕上がりサイズよりも外側まで背景色や写真を広げて配置することになります。仮にカット位置が多少ずれても、外側まで色や画像があるため、白い部分が出ることなくきれいに仕上がります。つまり塗り足しは、断裁ズレをカバーするための安全ゾーンのような役割を果たしているのです。
一般的な印刷では、上下左右それぞれに3ミリずつ塗り足しをつけるケースが多く見られます。A4仕上がりの場合、縦297ミリ横210ミリの完成サイズに対して、上下にそれぞれ3ミリ、左右にもそれぞれ3ミリ追加し、原稿サイズは303ミリ×216ミリになります。この少し大きくなった部分が塗り足しです。この数値は印刷会社によって多少異なることもありますが、多くの場合3ミリが標準として使われています。
塗り足しが必要なのは、背景が白以外の場合や、写真やイラストが端まで配置されているデザインのときです。逆に、四方に余白があり、文字やロゴだけが中央に配置されているようなデザインでは、塗り足しがなくても問題が起きにくいこともあります。ただし、基本的にはどんなデザインでも塗り足しをつけておく方が安全だと考えられています。
初心者の方がよくしてしまうミスとして、塗り足し部分に大切な文字やロゴを置いてしまうことがあります。塗り足しはあくまでカットされる予定のエリアなので、この中に重要な情報を入れてしまうと、断裁時に切れてしまう可能性があります。文字や重要なデザイン要素は、必ず仕上がりサイズの内側に収めるように意識することが大切です。
また、塗り足しと合わせて「内側余白」と呼ばれる考え方もあります。これは仕上がりサイズのさらに内側に、文字やロゴを配置するための余裕スペースを設けることです。断裁ズレだけでなく、見た目のバランスを良くするためにも、端ギリギリに文字を置かない方が読みやすくなります。塗り足しは外側の安全対策、内側余白は読みやすさの工夫と考えるとイメージしやすいでしょう。
塗り足しを正しく設定していると、印刷会社とのやり取りもスムーズになります。多くの印刷会社では、塗り足しがないデータやサイズが間違っているデータはそのまま印刷せず、修正依頼が来ることがほとんどです。場合によっては追加料金が発生することもあります。最初から塗り足しを含めた正しいサイズで作成しておけば、こうしたトラブルを防ぐことができます。
塗り足しは最初は少し面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば自然に設定できるようになります。デザインソフトの多くには塗り足し設定機能があり、新規ファイル作成時に数値を入力するだけで自動的にガイドラインが表示されます。このガイドを目安にデザインを広げていけば、難しい作業ではありません。
仕上がりサイズと塗り足しの関係を理解すると、印刷物づくりがぐっと身近になります。完成サイズをきれいに仕上げるために、あえて少し大きく作るという考え方は、印刷ならではの工夫と言えるでしょう。こうした仕組みを知っておくことで、印刷物を見る目も変わり、自分で作るときにも安心して作業できるようになります。
仕上がりサイズと原稿サイズの違いを混乱せずに理解する考え方

仕上がりサイズと塗り足しについて知ると、次に出てくるのが「原稿サイズ」という言葉です。この3つの言葉が並ぶと、印刷初心者の方は一気に難しく感じてしまうかもしれません。しかし、それぞれの役割を順番に整理して考えると、実はとてもシンプルな仕組みになっています。
まず、仕上がりサイズは完成した印刷物そのものの大きさです。手に取って見る最終的なサイズであり、チラシならA4、パンフレットならA5など、用途によって決めるサイズになります。そして塗り足しは、その仕上がりサイズの外側に追加する余分な部分です。断裁ズレを防ぐために必要な安全エリアのようなものだと説明しました。
原稿サイズとは、この仕上がりサイズと塗り足しをすべて含めた、印刷会社に渡すデータ全体のサイズを指します。つまり、原稿サイズは仕上がりサイズより少し大きくなり、その大きくなった分が塗り足しということになります。完成品として残るのが仕上がりサイズで、作業用データとして使うのが原稿サイズだと考えるとわかりやすいでしょう。
ここで混乱しやすいのが、「どのサイズを基準にデザインを考えればいいのか」という点です。結論から言うと、見た目の完成イメージは仕上がりサイズを基準に考えます。そして、デザインデータの作成は原稿サイズで行い、背景や写真を塗り足し部分まで広げて配置する、という流れになります。
たとえばA4仕上がりのチラシを作る場合、完成形として見せたい情報やレイアウトは297ミリ×210ミリの範囲に収まるように考えます。そのうえで、原稿サイズとしては上下左右に3ミリずつ足した303ミリ×216ミリのキャンバスを作り、その外側まで色や写真を伸ばして配置するというイメージです。
この考え方を知らずに原稿サイズと仕上がりサイズを同じだと思ってしまうと、よくあるトラブルが起こります。たとえば、背景を仕上がりサイズぴったりまでしか塗っていなかったため、印刷後に白い線が出てしまうケースです。また、文字を端ギリギリに配置してしまい、断裁時に少し切れてしまうこともあります。どちらも、サイズの役割をきちんと理解していれば防げる問題です。
初心者の方におすすめなのは、紙に図を書いてイメージしてみることです。まず大きな四角を書いて原稿サイズを表し、その内側に少し小さな四角を書いて仕上がりサイズを表します。外側の枠と内側の枠の間が塗り足し部分です。この図を見るだけで、原稿サイズが一回り大きく、その中に完成サイズが収まっていることが直感的に理解できるようになります。
また、印刷会社の入稿ガイドを読むと「仕上がりサイズ」「塗り足し込みサイズ」「トンボ付きデータ」などの表現が出てくることがあります。トンボとは、どこでカットするかを示す目印の線のことですが、これも原稿サイズの外側に表示されるものです。仕上がりサイズはトンボの内側、塗り足しはその外側という構造になっています。この仕組みを知っておくと、入稿データの指示内容も理解しやすくなります。
原稿サイズが大きくなると「その分データが重くなるのでは」と心配する方もいますが、実際には数ミリ程度の違いなのでほとんど影響はありません。それよりも、正しく塗り足しを設定してきれいに仕上げることの方がずっと大切です。
仕上がりサイズと原稿サイズの違いを理解できるようになると、印刷会社とのやり取りも楽になります。サイズ確認の連絡が来たときに、「完成サイズはA4で、塗り足し込みの原稿サイズはこの数値です」と自信を持って答えられるようになりますし、修正依頼も減っていきます。
また、複数ページの冊子やパンフレットを作る場合でも、この考え方はすべて共通です。各ページの仕上がりサイズがあり、それぞれに塗り足しがついて原稿サイズが決まります。ページ数が増えても、基本の考え方は変わらないので、一度覚えてしまえば応用がききます。
仕上がりサイズは完成品の大きさ、原稿サイズは塗り足しを含めた作業用データの大きさ。この二つをしっかり分けて考えることが、印刷物づくりの第一歩になります。難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえばとても自然に使い分けられるようになります。
この基本を押さえておくことで、次に説明する具体的なサイズ計算もスムーズに理解できるようになります。仕上がりサイズを中心に考え、そこに塗り足しを足して原稿サイズを作るという流れを、ぜひ頭の中でイメージできるようにしてみてください。
A4仕上がりを例に塗り足しを含めた正しいサイズ計算方法を紹介

ここまでで、仕上がりサイズと塗り足し、そして原稿サイズの考え方について理解が深まってきたと思います。次は、実際によく使われるA4サイズを例にして、どのようにサイズを計算すればよいのかを具体的に見ていきましょう。数字で見ると難しそうに感じるかもしれませんが、ひとつずつ順番に確認すればとても簡単です。
まず、A4サイズの仕上がりサイズは縦297ミリ、横210ミリです。これはコピー用紙と同じ大きさなので、多くの方にとってなじみがあるサイズでしょう。この数値が完成品として手元に残る最終サイズになります。
次に考えるのが塗り足しです。一般的な印刷では、上下左右それぞれに3ミリずつ塗り足しをつけることが多くなっています。つまり、縦方向には上に3ミリ、下に3ミリの合計6ミリが追加されます。横方向も同じように左に3ミリ、右に3ミリの合計6ミリが追加されます。
これを計算すると、縦は297ミリに6ミリを足して303ミリになります。横は210ミリに6ミリを足して216ミリです。これがA4仕上がりの場合の塗り足し込み原稿サイズになります。つまり、A4の完成サイズで印刷物を作りたい場合は、303ミリ×216ミリのサイズでデザインデータを作成するということになります。
この計算方法を覚えておけば、どんなサイズでも応用が可能です。たとえばA5サイズなら仕上がりは148ミリ×210ミリなので、それぞれに6ミリを足して154ミリ×216ミリになります。B5サイズなら182ミリ×257ミリに塗り足しを加えて188ミリ×263ミリといった具合です。基本は仕上がりサイズに上下左右分の塗り足しを足すだけなので、難しい計算は必要ありません。
初心者の方がよく間違えやすいポイントとして、「片側に3ミリだけ足してしまう」というミスがあります。塗り足しは上下左右すべてにつくため、縦方向も横方向も合計で6ミリ増えるという点を忘れないようにしましょう。上だけ、左だけということではなく、必ず両側に足すという考え方が大切です。
また、印刷会社によっては塗り足しが3ミリではなく、5ミリや10ミリを指定している場合もあります。特に大判ポスターや特殊な印刷物では塗り足し幅が広くなることもあります。その場合も考え方は同じで、指定された数値を上下左右に足して原稿サイズを決めます。入稿前には必ず印刷会社のサイズ指定を確認するようにしましょう。
デザインソフトを使っている場合、多くのソフトでは新規ファイル作成時に仕上がりサイズと塗り足し幅を入力するだけで、自動的に原稿サイズが設定されます。自分で計算する必要がない場合も多いですが、仕組みを理解しておくことで、サイズが合っているかどうかを確認できるようになります。もし数値が違っていればすぐに気づくことができるので、ミス防止にもつながります。
ここでひとつイメージしやすい例を挙げてみましょう。仕上がりサイズは完成した写真立ての中に入る写真の大きさだと考えてください。そして塗り足しは、その写真を少し大きめに印刷して、あとから枠に合わせて切るための余白です。最終的に枠にぴったり合うサイズになるように、あらかじめ大きめに作るという考え方は、印刷物ととても似ています。
正しいサイズ計算ができていると、印刷会社からの修正連絡がほとんどなくなります。逆に、サイズが間違っていると「塗り足しが足りません」「原稿サイズが違います」といった連絡が来てしまい、納期が延びる原因になることもあります。特に急ぎの案件では、このようなミスが大きな問題になることもあるため、最初から正確に設定することが大切です。
また、サイズをきちんと理解していると、デザインの配置にも余裕が生まれます。背景は塗り足しまでしっかり伸ばし、文字や写真は仕上がりサイズより少し内側に配置することで、見た目もきれいで安全なデザインになります。計算だけでなく、レイアウト全体のバランスにも良い影響を与えてくれます。
A4サイズはとてもよく使われるため、この計算方法を覚えておくだけでも印刷物づくりがぐっと楽になります。最初は毎回計算して確認しながら作業してみると、自然と感覚が身についていくでしょう。
仕上がりサイズに塗り足しを足して原稿サイズを作る。このシンプルな流れを意識しながらデータを作成することで、印刷トラブルを防ぎ、きれいな仕上がりを実現できます。数字が苦手な方でも、この考え方さえ覚えてしまえば難しく感じることはなくなります。
塗り足しを入れ忘れると印刷で起こるトラブルを具体的に解説

仕上がりサイズや原稿サイズの考え方を理解していても、実際のデータ作成でつい塗り足しを入れ忘れてしまうことは少なくありません。特に初めて印刷物を作る方や、急いでデザインを仕上げたときほど、このミスが起こりやすくなります。ここでは、塗り足しを設定しなかった場合にどのようなトラブルが起こるのかを具体的に見ていきましょう。
もっともよくあるトラブルは、印刷物の端に白い線が出てしまうことです。背景に色や写真を使っているデザインでは、この白い線がとても目立ちます。画面上ではきれいに見えていても、実際に印刷してカットすると、ほんのわずかなズレによって紙の白い部分が露出してしまいます。この現象は印刷業界では決して珍しいものではなく、塗り足しがないデータでは高い確率で発生してしまいます。
たとえば、全面が青色のチラシを作ったとします。データ上ではA4サイズぴったりに青色が塗られていて問題がないように見えても、カット位置が少し内側にずれると、端に細い白い線が入ります。ほんの1ミリ程度でも、人の目にははっきりとわかることが多く、見た目の印象を大きく下げてしまいます。
次によく起こるのが、文字や写真が切れてしまうトラブルです。塗り足しの考え方を知らずに、仕上がりサイズのギリギリまで情報を配置してしまうと、断裁ズレによって大切な部分が削られてしまうことがあります。特に連絡先やキャッチコピーなど、重要な情報が端に近いと、この影響を受けやすくなります。
こうしたトラブルが起こると、印刷物をすべて刷り直す必要が出てくることもあります。大量に印刷していた場合は、費用も時間も大きな負担になってしまいます。納期が迫っている場合には、スケジュール全体に影響が出ることもあるため、塗り足しの設定ミスは決して軽く見てはいけません。
また、印刷会社によっては、塗り足しがないデータをそのまま印刷せず、修正を依頼してくることがほとんどです。これは品質を保つために必要な対応ですが、その分やり取りが増え、完成までに時間がかかります。場合によっては追加料金が発生することもあり、予算にも影響する可能性があります。
初心者の方の中には「多少白い線が出ても気にならないのでは」と思う方もいるかもしれません。しかし、実際に手に取って見ると、想像以上に目立つことが多いです。特に企業のチラシやパンフレットなど、信頼感や清潔感が求められる印刷物では、小さなズレが全体の印象を悪くしてしまいます。
塗り足しを入れ忘れる原因として多いのが、「仕上がりサイズだけを意識してデータを作ってしまう」ことです。完成サイズばかりに目がいき、原稿サイズや塗り足しの存在を忘れてしまうのです。これを防ぐためには、デザインを始める前に必ず原稿サイズを設定し、塗り足しガイドが表示されている状態で作業を進める習慣をつけることが大切です。
もうひとつの対策として、デザイン完成後にサイズをチェックすることも効果的です。仕上がりサイズより外側まで背景や画像がしっかり広がっているか、重要な文字が内側に収まっているかを確認するだけでも、ミスを防ぐ確率が大きく高まります。
塗り足しをきちんと設定していれば、多少断裁がずれても見た目に影響が出ることはほとんどありません。印刷物は大量生産されるものなので、完全にズレをなくすことは難しいですが、そのズレを見越して準備しておくのが塗り足しの役割です。このひと手間が、仕上がりの美しさを大きく左右します。
実際の印刷現場では、塗り足しがきちんとあるデータほどトラブルが少なく、スムーズに作業が進みます。逆に、塗り足しがないデータはチェックや修正が増え、時間もかかってしまいます。印刷会社との良い関係を保つためにも、正しいサイズ設定はとても大切です。
塗り足しは単なる余白ではなく、完成品を美しく仕上げるための大切な準備工程です。少しの手間で大きなトラブルを防げるので、必ず最初から意識して設定するようにしましょう。
チラシやパンフレットなど印刷物ごとの仕上がりサイズの考え方

仕上がりサイズはすべての印刷物で共通の考え方ですが、実際には用途によってよく使われるサイズが異なります。どのサイズを選ぶかによって、読みやすさや配布しやすさ、情報の伝わり方も変わってきます。ここでは、代表的な印刷物ごとに、仕上がりサイズの選び方や考え方をわかりやすく説明していきます。
まず、もっとも多く使われているのがチラシです。チラシの場合、A4サイズが定番となっています。家庭のプリンターやコピー機でも扱いやすく、手に取ったときの大きさも見やすいため、多くの企業や店舗で採用されています。A4は情報量も十分に載せることができるので、キャンペーン告知やサービス紹介など幅広い用途に向いています。
次によく使われるのがA5サイズです。A4の半分の大きさで、コンパクトな印象があります。持ち運びしやすく、資料に挟み込んだり、手渡し配布したりする場面で便利です。イベント案内や簡単なサービス紹介など、内容をシンプルにまとめたい場合に向いています。
パンフレットや冊子の場合は、A4やA5を二つ折り、三つ折りにして使うケースが多くなります。たとえばA4サイズを二つ折りにすると、仕上がりはA5サイズ相当の冊子になります。この場合も、1ページごとの仕上がりサイズを基準に塗り足しを設定し、原稿サイズを作成していくことになります。ページが複数あっても、考え方はチラシとまったく同じです。
ポスターの場合は、A3やA2といった大きめのサイズがよく選ばれます。遠くからでも見やすく、視線を集めやすいため、店舗内掲示やイベント告知に適しています。サイズが大きくなると、その分塗り足しの重要性も高まります。カット時のズレが目立ちやすくなるため、指定された塗り足し幅を必ず守ることが大切です。
名刺やカード類の場合は、規格サイズが決まっていることが多く、日本では名刺は91ミリ×55ミリが一般的です。このような小さな印刷物でも、塗り足しは必ず必要になります。サイズが小さいからといって塗り足しを省いてしまうと、白い線が非常に目立ってしまうため、特に注意が必要です。
封筒やハガキなども仕上がりサイズがあらかじめ決まっていることが多く、それに合わせて原稿サイズを作成します。ハガキの場合は100ミリ×148ミリが一般的な仕上がりサイズとなりますが、ここにも上下左右の塗り足しを加えた原稿サイズが必要になります。
印刷物ごとにサイズは違っても、基本となる考え方は共通しています。まず完成したときの大きさである仕上がりサイズを決め、その外側に塗り足しを加えて原稿サイズを作るという流れです。この順番を間違えないことが、きれいな印刷物を作るコツです。
サイズ選びの際に意識したいポイントとして、「どこで使うか」「誰に渡すか」という点があります。たとえば街頭で配るチラシなら大きすぎないA4やA5が向いていますし、店舗内で目立たせたいならA3ポスターが効果的です。郵送する場合は、封筒に入るサイズかどうかも考慮する必要があります。
また、サイズが大きくなるほど印刷費用も高くなる傾向があります。用紙の量やインクの使用量が増えるためです。そのため、必要以上に大きなサイズを選ばず、目的に合った仕上がりサイズを選ぶことがコスト面でも重要になります。
初心者の方は「とりあえずA4にしておけば安心」と考えがちですが、内容や配布方法によっては別のサイズの方が適している場合もあります。事前に用途を整理し、それに合った仕上がりサイズを選ぶことで、より効果的な印刷物を作ることができます。
仕上がりサイズを意識して印刷物を設計すると、デザインの構成もしやすくなります。どれくらいの情報量が入るのか、写真をどの大きさで使えるのかが自然と見えてくるため、無理のないレイアウトが作れるようになります。
印刷物ごとのサイズ選びは、見た目だけでなく使いやすさや伝わりやすさにも大きく影響します。仕上がりサイズを正しく理解し、目的に合ったサイズを選ぶことが、満足度の高い印刷物づくりにつながります。
デザイン作成時に仕上がりサイズを意識するポイントを初心者向けに解説

仕上がりサイズや塗り足しの考え方を理解したら、次に大切なのが実際のデザイン作成時にそれをどう意識すればよいかという点です。頭ではわかっていても、作業中に忘れてしまうとトラブルにつながりやすくなります。ここでは、初心者の方でも実践しやすいポイントをやさしく説明していきます。
まず、デザインを始める前に必ず原稿サイズを正しく設定することが重要です。仕上がりサイズだけでキャンバスを作るのではなく、塗り足しを含めたサイズで新規ファイルを作成しましょう。多くのデザインソフトには塗り足し設定があり、数値を入力するだけで自動的にガイドラインが表示されます。このガイドラインがあることで、どこまで背景を広げればよいのか、どこから内側が仕上がりサイズなのかが一目でわかるようになります。
次に意識したいのが、背景や写真は必ず塗り足し部分まで広げることです。仕上がりサイズで止めてしまうと、断裁ズレが起きたときに白い線が出てしまいます。色ベタや画像は思い切って原稿サイズいっぱいまで伸ばすようにしましょう。最初は少し大きく感じるかもしれませんが、最終的にはその外側がカットされるので心配はいりません。
一方で、文字やロゴ、重要な写真などは仕上がりサイズの内側に配置することが大切です。さらに余裕を持って、端から数ミリ内側に入れると安心です。こうすることで、多少カット位置がずれても大切な情報が切れてしまう心配がなくなります。見た目もすっきりし、読みやすさも向上します。
デザイン初心者の方によくある失敗として、画面いっぱいに情報を詰め込みすぎてしまうことがあります。しかし、印刷物では適度な余白がある方が見やすく、内容も伝わりやすくなります。仕上がりサイズを意識しながら、余白を上手に使うこともきれいなデザインにつながります。
また、仕上がりサイズを意識すると、文字の大きさや写真のバランスも考えやすくなります。画面上では大きく見えても、実際に印刷すると意外と小さく感じることもあります。特にA4サイズ以下の印刷物では、細かい文字は読みにくくなりがちです。完成サイズを想像しながら、少し大きめを意識して配置すると安心です。
実際にプリンターで試し刷りをしてみるのもとても効果的です。家庭用プリンターでも構わないので、仕上がりサイズに近い大きさで印刷してみると、画面上では気づかなかった見づらさやズレに気づくことがあります。このひと手間が、完成度を大きく高めてくれます。
さらに、デザインを仕上げたら必ずサイズチェックを行いましょう。塗り足しがきちんとついているか、背景が原稿サイズいっぱいまで広がっているか、重要な情報が仕上がりサイズ内に収まっているかを確認します。慣れるまではチェックリストを作って確認するのもおすすめです。
印刷会社に入稿する前に、PDFで書き出して確認する際も、仕上がりサイズと原稿サイズの表示を意識して見てみましょう。多くの閲覧ソフトではページサイズが表示されるため、指定通りの数値になっているかを確認することができます。ここで間違いに気づけば、印刷前に修正できるので安心です。
仕上がりサイズを意識する習慣が身につくと、デザイン全体のクオリティが自然と上がっていきます。無理なレイアウトが減り、見やすく整った印刷物が作れるようになります。これは経験を重ねるほど実感できるポイントです。
最初のうちは少し手間に感じるかもしれませんが、仕上がりサイズと塗り足しを意識することは印刷デザインの基本中の基本です。この土台がしっかりしていれば、どんな印刷物でも安心して作成できるようになります。
仕上がりサイズを中心に考え、塗り足しを含めた原稿サイズで作業する。この流れを毎回意識することで、印刷トラブルを防ぎながら、きれいで伝わりやすいデザインを作れるようになるでしょう。
印刷会社に入稿する際に確認すべきサイズ関連の注意点

デザインが完成したら、いよいよ印刷会社へデータを入稿する流れになります。このとき、仕上がりサイズや塗り足しに関する確認をしっかり行っておくことで、トラブルを防ぎ、スムーズに印刷を進めることができます。ここでは、初心者の方が特に気をつけたいサイズ関連のポイントをわかりやすく説明していきます。
まず最初に確認したいのが、印刷会社ごとの入稿ルールです。多くの印刷会社では、仕上がりサイズや塗り足し幅について細かく指定されています。一般的には上下左右3ミリが多いですが、会社や商品によって異なる場合もあります。中には5ミリや10ミリを指定しているケースもあるため、「いつも3ミリだから大丈夫」と思い込まず、必ず公式の入稿ガイドを確認する習慣をつけましょう。
次に確認すべきなのが、原稿サイズが正しく設定されているかどうかです。仕上がりサイズに塗り足し分がきちんと足されているか、数値をもう一度見直します。A4仕上がりなら303ミリ×216ミリになっているか、別サイズなら計算が合っているかをチェックします。ここで少しでもズレていると、印刷会社から修正依頼が来ることになります。
また、背景や画像が塗り足し部分までしっかり伸びているかも重要な確認ポイントです。仕上がりサイズで止まっていないか、原稿サイズの端まで色や写真が入っているかを目で見て確認しましょう。特に白背景以外のデザインでは、この確認を怠ると白い線が出る原因になります。
文字やロゴなどの重要な情報が、仕上がりサイズの内側に収まっているかも忘れずにチェックします。端ギリギリに配置されていないか、余裕を持って内側に入っているかを確認しましょう。見た目に問題がなくても、断裁ズレを考えると少し内側にある方が安心です。
入稿データの形式にも注意が必要です。多くの印刷会社ではPDF形式での入稿が推奨されています。PDFに書き出す際、トンボがついているか、サイズが正しく反映されているかを確認しましょう。トンボはカット位置を示す目印なので、これがないと印刷会社で正確な断裁ができない場合があります。
PDFを開いてページサイズを確認すると、原稿サイズが数値で表示されることがあります。ここで指定通りのサイズになっているかを見ることで、ミスに気づくことができます。仕上がりサイズと原稿サイズを頭に入れておくと、この確認作業がとてもスムーズになります。
さらに、印刷会社によってはサイズチェック用の自動確認システムを用意しているところもあります。データをアップロードすると、塗り足し不足やサイズ違いを自動で知らせてくれる仕組みです。ただし、すべてのミスを完璧に検出できるわけではないので、自分でも必ず目視確認を行うことが大切です。
初心者の方は「とりあえず送ってみて、ダメなら修正すればいい」と考えがちですが、これを繰り返すと納期が遅れたり、余計な手間が増えたりします。最初から正しいサイズで入稿できるように意識することで、作業全体がスムーズになります。
また、サイズに関する疑問がある場合は、入稿前に印刷会社へ問い合わせるのもおすすめです。多くの会社ではメールやチャット、電話でのサポートを行っており、初心者の質問にも丁寧に答えてくれます。「塗り足しは何ミリ必要ですか」「このサイズ設定で問題ありませんか」といった確認をしておくことで安心して入稿できます。
印刷会社とのやり取りを重ねるうちに、サイズ設定の感覚も自然と身についていきます。最初は慎重に確認しながら進め、慣れてきたらスムーズに作業できるようになるでしょう。
仕上がりサイズと塗り足しは、デザインだけでなく入稿工程でもとても大切なポイントです。ここをきちんと押さえておくことで、印刷トラブルを防ぎ、きれいな完成品を手にすることができます。
デジタルデータと実際の印刷物サイズがズレる理由をわかりやすく説明

パソコンの画面で見ているデザインと、実際に印刷された紙を比べたとき、「なんだかサイズ感が違う」「思っていたより小さい」「端が少しズレている」と感じた経験がある方もいるかもしれません。これは決して珍しいことではなく、デジタルデータと印刷物にはいくつかの違いがあるために起こります。ここでは、そのズレがなぜ発生するのかをやさしく説明していきます。
まず大きな理由のひとつが、画面表示と実寸サイズの感覚の違いです。パソコンやスマートフォンの画面では、拡大したり縮小したりしながらデザインを見ることができます。そのため、実際のサイズよりも大きく見えていることが多く、印刷したときに「思ったより小さい」と感じやすくなります。特に文字サイズは、画面上では読みやすく感じても、紙にすると小さく見えることがよくあります。
もうひとつの理由が、印刷と断裁の工程によるわずかなズレです。印刷機で紙にインクを乗せ、その後まとめてカットするという流れの中で、どうしてもミリ単位の誤差が発生します。このズレを前提として設計されているのが塗り足しです。塗り足しがあることで見た目への影響を防げますが、それでも位置が完全に一致するわけではありません。
さらに、用紙の伸縮もサイズズレの原因になります。紙は湿度や温度の影響を受けやすく、印刷工程の中でわずかに伸びたり縮んだりします。この変化はほんのわずかですが、大量印刷や大きなサイズの印刷物では影響が出やすくなります。そのため、データ通りのサイズを完全に再現するのはとても難しいのです。
また、プリンターや印刷機ごとの特性も関係しています。家庭用プリンターと業務用印刷機では、印刷精度や紙の送り方が異なります。家庭用プリンターでは端まで印刷できないことも多く、余白が自動的に入る場合もあります。一方、業務用印刷機では高精度で印刷されますが、それでも断裁ズレはゼロにはなりません。
このような理由から、デジタルデータと実際の印刷物が完全に一致することはほとんどありません。だからこそ、仕上がりサイズと塗り足しを正しく設定し、ズレを見越したデザインを作ることが重要になります。
初心者の方は、どうしても画面上の見た目だけで判断してしまいがちですが、印刷物は最終的に「紙として見るもの」です。実寸を意識しながら作業することで、完成後のギャップを減らすことができます。
試し刷りをすることも、ズレを理解するうえでとても役立ちます。家庭用プリンターで構わないので、仕上がりサイズに近い大きさで印刷してみると、文字の大きさや余白の感覚がつかめるようになります。「この文字は少し小さいな」「この余白はもう少し欲しいな」といった気づきが、デザインの質を高めてくれます。
また、仕上がりサイズに対して余裕を持ったレイアウトを心がけることも大切です。端ギリギリまで要素を詰め込まず、適度な余白を確保することで、ズレが起きても見た目への影響を抑えることができます。結果として、すっきりと読みやすい印刷物にもなります。
サイズズレを完全になくすことはできませんが、仕組みを理解して対策をしておけば、ほとんど気にならないレベルに抑えることができます。塗り足しを正しく設定し、重要な情報を内側に配置し、実寸を意識したデザインを心がけることで、安心して印刷に進めるようになります。
デジタルデータと印刷物の違いを知ることは、印刷デザインに慣れるための大切なステップです。この違いを理解していれば、「なぜズレたのか」と不安になることも減り、落ち着いて対処できるようになります。
仕上がりサイズと塗り足しは、こうしたズレを前提にした考え方だということを覚えておくと、より納得感を持ってサイズ設定ができるようになるでしょう。
初めてでも安心して印刷物を作るためのサイズ基礎知識まとめ

ここまで、仕上がりサイズを中心に、塗り足しや原稿サイズの考え方、具体的な計算方法、よくあるトラブルや注意点まで順番に見てきました。最後に、これから初めて印刷物を作る方でも安心して取り組めるよう、サイズに関する基本知識をやさしく整理していきます。
まず覚えておきたいのは、仕上がりサイズが完成した印刷物そのものの大きさだということです。手に取って見る最終的なサイズであり、A4やA5といった規格サイズがよく使われます。デザインの見た目やレイアウトを考えるときは、常にこの仕上がりサイズを基準にイメージするとわかりやすくなります。
次に大切なのが塗り足しです。塗り足しは仕上がりサイズの外側に追加する余分な部分で、断裁ズレによる白い線を防ぐ役割を持っています。一般的には上下左右に3ミリずつつけることが多く、背景色や写真はこの部分までしっかり広げて配置します。塗り足しは最終的にカットされるので、重要な情報は入れないようにしましょう。
そして、仕上がりサイズと塗り足しを合わせたものが原稿サイズになります。印刷会社に入稿するデータは、この原稿サイズで作成します。たとえばA4仕上がりなら、303ミリ×216ミリが原稿サイズになります。この計算方法を覚えておくと、どんなサイズでも迷わず設定できるようになります。
デザイン作成時には、必ず塗り足し込みのサイズでキャンバスを作り、ガイドラインを表示させながら作業することがポイントです。背景は原稿サイズいっぱいまで広げ、文字やロゴは仕上がりサイズより内側に配置します。この習慣を身につけるだけで、印刷トラブルの多くを防ぐことができます。
入稿前には、サイズが正しく設定されているかを必ず確認しましょう。印刷会社ごとの指定をチェックし、塗り足し幅が合っているか、原稿サイズが間違っていないかを見直します。PDFに書き出してページサイズを確認するのも効果的です。
また、デジタルデータと実際の印刷物にはわずかなズレが生じることを理解しておくことも大切です。画面上の見た目だけで判断せず、実寸を意識しながらレイアウトを考えることで、完成後のギャップを減らすことができます。余白を適度に取り、詰め込みすぎないデザインを心がけると安心です。
初心者の方にとって、サイズ設定は最初は難しく感じるかもしれません。しかし、一度流れを覚えてしまえばとてもシンプルです。仕上がりサイズを決める、塗り足しを足して原稿サイズを作る、そのサイズでデザインを作成する。この順番を毎回守ることで、自然と正しいデータが作れるようになります。
印刷物づくりは、見た目のデザインだけでなく、こうした基本的なサイズ知識が完成度を大きく左右します。仕上がりサイズと塗り足しを理解しているかどうかで、仕上がりの美しさやトラブルの少なさが変わってきます。
これからチラシやパンフレット、名刺などを作る機会がある方は、ぜひ今回紹介した考え方を意識してみてください。最初から正しいサイズで作業できれば、印刷会社とのやり取りもスムーズになり、安心して完成品を待つことができます。
サイズ設定は印刷物づくりの土台です。この土台をしっかり固めておけば、どんなデザインにも自信を持って取り組めるようになるでしょう。
まとめ
この記事では、印刷物を作るうえで欠かせない仕上がりサイズと塗り足しの考え方について、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説してきました。仕上がりサイズとは、実際に完成した印刷物の大きさのことで、チラシやパンフレット、名刺など、すべての印刷物において基準となるサイズです。この完成サイズをもとにデザインのレイアウトや情報配置を考えることで、見やすく使いやすい印刷物が作れるようになります。
塗り足しは、その仕上がりサイズの外側に追加する余分な部分で、断裁時のズレによって白い線が出てしまうのを防ぐ役割を持っています。一般的には上下左右にそれぞれ3ミリずつ設定されることが多く、背景色や写真はこの範囲まで広げて配置する必要があります。一方で、文字やロゴなどの大切な情報は仕上がりサイズより内側に収めることで、切れてしまうトラブルを防ぐことができます。
仕上がりサイズと塗り足しをすべて含めたものが原稿サイズとなり、印刷会社へ入稿するデータはこのサイズで作成します。A4仕上がりの場合は303ミリ×216ミリが原稿サイズになるなど、計算方法もとてもシンプルです。この仕組みを理解しておくことで、どんなサイズの印刷物でも迷わず正しくデータを作れるようになります。
また、印刷物ごとに適した仕上がりサイズがあることや、デザイン作成時に意識すべきポイント、入稿時の注意点についても紹介しました。背景は必ず塗り足しまで伸ばすこと、重要な情報は内側に配置すること、入稿前にサイズ確認を行うことなど、基本を守るだけで多くのトラブルを防ぐことができます。
さらに、デジタルデータと実際の印刷物にはわずかなズレが生じることも説明しました。画面上の見た目と紙に印刷されたときの感覚は異なるため、実寸を意識しながらデザインを作ることが大切です。余白を適度に取り、詰め込みすぎないレイアウトを心がけることで、完成後の違和感を減らすことができます。
仕上がりサイズと塗り足しの考え方は、印刷物づくりの基本となる知識です。最初は難しく感じるかもしれませんが、一度理解してしまえばとてもシンプルで、どんな印刷物にも応用できます。この基礎を身につけておくことで、印刷会社とのやり取りもスムーズになり、安心してきれいな印刷物を作れるようになります。
これから印刷物を作る予定がある方は、ぜひ今回紹介した内容を参考にしながら、仕上がりサイズを意識したデザイン作成に挑戦してみてください。正しいサイズ設定ができれば、仕上がりの美しさや完成度が大きく変わることを実感できるはずです。
よくある質問Q&A
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仕上がりサイズとは具体的にどのようなサイズを指すのですか?
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仕上がりサイズとは、印刷が完了して余分な部分をカットしたあとに手元に残る、完成した印刷物そのものの大きさを指します。たとえばA4仕上がりの場合は縦297ミリ、横210ミリとなり、コピー用紙と同じサイズです。デザインを考える際には、この完成形のサイズを基準にレイアウトや文字配置を決めていきます。印刷会社に渡すデータのサイズとは異なるため、完成品としてどの大きさになるのかを常に意識することが大切です。
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塗り足しとは何のために必要なのですか?
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塗り足しとは、仕上がりサイズの外側にあらかじめ追加しておく余分な部分のことで、断裁時のズレによって白い線が出るのを防ぐ役割があります。印刷では紙をまとめてカットするため、ミリ単位のズレがどうしても発生します。このズレを見越して背景色や写真を外側まで広げておくことで、完成時にきれいな仕上がりになります。見た目の美しさを保つために欠かせない工程です。
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仕上がりサイズと原稿サイズはどう違うのですか?
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仕上がりサイズは完成した印刷物の大きさで、原稿サイズは塗り足しを含めたデータ全体のサイズを指します。たとえばA4仕上がりなら297ミリ×210ミリですが、上下左右に3ミリずつ塗り足しを加えると原稿サイズは303ミリ×216ミリになります。印刷会社に入稿するのはこの原稿サイズのデータで、最終的に塗り足し部分がカットされて仕上がりサイズになります。
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なぜ断裁でズレが起こるのですか?
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印刷物は大量の紙をまとめて機械でカットするため、どうしてもわずかな誤差が発生します。機械の精度は高いものの、紙の重なりや位置のズレ、紙の伸縮などが影響して完全に同じ位置で切ることは難しいのが現実です。このズレを前提として設計されているのが塗り足しで、多少ズレても見た目に影響が出ないよう工夫されています。
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A4仕上がりの場合の原稿サイズはどのくらいになりますか?
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一般的に塗り足しを上下左右3ミリずつ設定する場合、A4仕上がりサイズ297ミリ×210ミリに対して、縦横それぞれ6ミリずつ加えた303ミリ×216ミリが原稿サイズになります。このサイズでデザインデータを作成し、背景や画像を端まで広げて配置することで、きれいな仕上がりが実現できます。
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塗り足しを入れないと必ず問題が起こりますか?
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必ず問題が起こるわけではありませんが、白い線が出たりデザインが切れたりする可能性が非常に高くなります。特に背景に色や写真を使っているデザインでは、塗り足しがないと断裁ズレがそのまま見えてしまいます。印刷物の品質を保つためにも、基本的には必ず塗り足しを設定することが推奨されています。
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塗り足し部分に文字を入れても大丈夫ですか?
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塗り足し部分は最終的にカットされる予定のエリアなので、文字やロゴなどの重要な情報は入れないようにしましょう。断裁ズレによって切れてしまう可能性が高く、読めなくなる恐れがあります。文字や大切な要素は必ず仕上がりサイズの内側に配置し、余裕を持たせることが安心です。
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すべての印刷物に塗り足しは必要ですか?
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背景が白のみで、端まで色や画像が入らないデザインの場合は、塗り足しがなくても問題が起きにくいこともあります。しかし、基本的にはどの印刷物でも塗り足しをつけておく方が安全です。予期せぬズレに備える意味でも、塗り足しは標準として考えるのがおすすめです。
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塗り足しの幅は必ず3ミリでなければいけませんか?
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一般的には3ミリが多く使われていますが、印刷会社や商品によって異なる場合があります。大判印刷や特殊加工の場合は5ミリや10ミリを指定されることもあります。入稿前には必ず印刷会社のガイドラインを確認し、指定された塗り足し幅に合わせて設定することが大切です。
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デザインソフトで塗り足しは簡単に設定できますか?
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多くのデザインソフトでは、新規ファイル作成時に仕上がりサイズと塗り足し幅を入力するだけで自動的に設定できます。ガイドラインも表示されるため、どこまで背景を広げればよいか一目でわかります。手動で計算する必要がない場合も多いですが、仕組みを理解しておくことでミス防止につながります。
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仕上がりサイズはどのように選べばよいですか?
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仕上がりサイズは用途や配布方法に合わせて選ぶのが基本です。チラシならA4やA5、ポスターならA3以上、名刺なら規格サイズなど、目的に合ったサイズがあります。情報量や見やすさ、持ち運びやすさも考慮しながら決めることで、効果的な印刷物になります。
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サイズが大きくなると印刷費用は高くなりますか?
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一般的にサイズが大きくなるほど用紙の量やインクの使用量が増えるため、印刷費用は高くなる傾向があります。そのため、必要以上に大きなサイズを選ばず、目的に合った仕上がりサイズを選ぶことがコスト面でも重要になります。
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画面で見たデザインと印刷物の印象が違うのはなぜですか?
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画面では拡大表示されていることが多く、実際のサイズ感と異なって見えるためです。また、紙に印刷すると文字や色の見え方も変わることがあります。さらに断裁ズレや紙の伸縮も影響するため、完全に同じ見た目にはなりません。実寸を意識することが大切です。
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試し刷りはした方が良いですか?
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可能であれば試し刷りをすることをおすすめします。家庭用プリンターでも構わないので、仕上がりサイズに近い大きさで印刷してみると、文字の大きさや余白のバランスが確認できます。画面上では気づかない見づらさを発見できることも多いです。
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入稿前に必ず確認すべきサイズ項目は何ですか?
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原稿サイズが正しいか、塗り足しが指定通りついているか、背景が塗り足しまで広がっているか、重要な情報が内側に収まっているかを確認しましょう。さらにPDFに書き出してページサイズをチェックすることで、数値のミスにも気づきやすくなります。
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トンボとは何ですか?
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トンボとは、どこで紙をカットするかを示す目印の線のことです。原稿サイズの外側に表示され、仕上がりサイズの位置を示します。印刷会社はこのトンボを基準に断裁を行うため、正確な仕上がりに欠かせない要素です。
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塗り足しがあるとデザインが見切れたりしませんか?
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塗り足し部分は最終的にカットされるため、完成品としては見えません。背景や写真を広げるだけなので、デザインが崩れることはありません。むしろ塗り足しがあることで端まできれいな仕上がりになります。
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小さな名刺サイズでも塗り足しは必要ですか?
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名刺のように小さな印刷物ほど塗り足しは重要になります。わずかなズレでも白い線が目立ちやすいため、必ず塗り足しを設定しましょう。サイズが小さくても考え方はチラシやポスターと同じです。
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塗り足しと余白は同じものですか?
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塗り足しは外側に追加するカットされる部分で、余白は仕上がりサイズの内側に設ける空間です。塗り足しはズレ対策、余白は見やすさや安全配置のためのものと考えるとわかりやすいでしょう。役割がまったく異なります。
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初心者がサイズ設定で一番気をつけるべきことは何ですか?
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仕上がりサイズだけでデータを作らず、必ず塗り足しを含めた原稿サイズで作成することがもっとも大切です。背景は端まで広げ、文字は内側に配置するという基本を守るだけで、多くのトラブルを防げます。この流れを習慣にすることが成功への近道です。