ジャバラ折りを使いこなすための基礎知識と実践的な使い方!谷折りと山折りを交互に使って印刷物の魅力を高める - 株式会社ヤマガ印刷

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ジャバラ折りを使いこなすための基礎知識と実践的な使い方!谷折りと山折りを交互に使って印刷物の魅力を高める

2025.12.30

ジャバラ折りは、谷折りと山折りを交互に繰り返すことで仕上げる折り加工で、蛇腹のように折り畳まれる構造からその名がついています。一見すると専門的で難しそうに感じるかもしれませんが、基本を理解すれば非常に使い勝手が良く、さまざまな印刷物で活用できる便利な方法です。全体を広げると長い一枚の紙として展開できるため、段階的な説明や多くの情報を整理して伝えたいときに特に力を発揮します。観光案内や商品ラインナップ、イベント資料など、実際の制作現場でも頻繁に用いられています。

ジャバラ折りは、他の折り加工と比べても独特の特徴を持っています。巻き三つ折りのように内側に巻き込む部分がなく、すべての面を同じ幅でデザインできるため、情報を均等に配置しやすいのが魅力です。二つ折りと違って面数を多く取ることができるため、内容を順番に展開したり、一度に全体を見せたりといった柔軟な見せ方が可能になります。折り加工をうまく使い分けることで、印刷物の役割や目的に合わせた効果的な表現を実現できます。

制作の際には、折り目の数と面数の数え方をしっかり理解しておくことが重要です。ジャバラ折りは「折り目の数+1=面数」という考え方で構成されるため、仕様書や見積もりで混乱しないように把握しておきましょう。また、折り精度を高めるためには、デザインデータで各面の幅を正確に設定し、紙の厚みに応じて微調整を行うことが欠かせません。特に折り数が多い場合、わずかなズレが仕上がり全体に影響するため、最初の段階で丁寧に設計しておくことが成功のポイントです。

さらに、紙の厚みや種類の選び方も仕上がりに直結します。薄手の紙を選べば折りやすくスッキリと仕上がり、厚めの紙を使えばしっかりとした高級感を出すことができます。コート紙やマットコート紙、上質紙など、用紙の特性に応じて折りやすさや見え方が異なるため、用途やデザインとのバランスを意識して選ぶことが大切です。特殊紙を使用する場合は、折り加工の難易度が上がることもあるため、印刷会社への事前相談も効果的です。

大量印刷や長期保管を行う場合には、紙の伸縮や加工精度、保管環境などにも注意が必要です。印刷から折り加工までの工程を短期間で進める、折り機の調整を丁寧に行う、保管時には湿度や重ね方に配慮するなど、少しの工夫で仕上がりを長く美しく保つことができます。こうした制作と保管の工夫が、配布時の印象や使い勝手に大きく影響します。

ジャバラ折りは、基本を押さえれば初心者でも扱いやすく、情報を魅力的に整理して届けられる折り加工です。この記事では、構造の理解から用紙選び、デザイン時の注意点、他の折り加工との比較、制作・保管のコツ、そして初心者がつまずきやすい疑問への回答まで、基礎から実践的な内容を丁寧に解説していきます。読み進めることで、印刷物の表現力を高め、目的に合わせた効果的な活用ができるようになるでしょう。

ジャバラ折りとは何かを解説!印刷加工の基本を知る

印刷物の世界では、さまざまな折り加工が存在し、それぞれに特徴や見た目の印象が大きく異なります。そのなかでも「ジャバラ折り」は、谷折りと山折りを交互に繰り返して仕上げる折り方で、コンパクトにまとめながらも展開時に広がりを持たせられるという特徴があります。印刷にあまり詳しくない人にとっては、初めて耳にする言葉かもしれませんが、実は日常生活の中でも意外と目にする機会が多い折り方です。たとえば観光地の案内パンフレットや企業の会社案内、イベント資料などで、ページが蛇腹状に折りたたまれている印刷物を見たことがある人は多いでしょう。まさにそれがジャバラ折りです。

ジャバラ折りという名称は、蛇腹のように折り目が規則正しく並んでいる見た目から来ています。「経本折り」や「アコーディオン折り」と呼ばれることもあり、地域や業界によって呼び方が異なる場合もありますが、基本的な構造は共通しています。谷折りと山折りを交互に繰り返すことで、印刷物をコンパクトに収納しながら、広げたときには長く連続した情報を展開できるという特徴を持っています。この特徴が、説明資料や観光パンフレット、カタログなどで重宝される理由です。

折り加工というと、二つ折りや三つ折りを思い浮かべる人が多いかもしれません。二つ折りは、1回折るだけのもっともシンプルな形式で、会社案内やリーフレットなどでよく使われます。三つ折りには「巻き三つ折り」や「Z折り」などいくつかのパターンがあり、限られた紙面に複数の情報を整理して配置することができます。一方、ジャバラ折りは、こうした基本的な折り加工に比べてページ数が多くなりやすく、広げたときに長い連続面になることが特徴です。単にページを増やせるというだけではなく、見た目にもインパクトがあり、順を追って情報を展開していく構成に向いているため、印刷物の表現力を高めるうえで非常に役立ちます。

ジャバラ折りの最大の特徴は、折り目を境にして紙を折り返す方向が交互になっている点にあります。最初に紙を谷折りにし、次は反対側に山折りをし、その次はまた谷折りと続けていくことで、蛇腹のような形になります。この交互構造によって、印刷物を閉じた状態では小さくコンパクトにまとめることができ、広げたときにはひと続きの大きな紙面として活用できます。巻き三つ折りのようにページが内側に巻き込まれることがないため、すべてのページが見やすく開くのも特徴です。特に展示会やプレゼン資料など、順番に情報を見せたい場面では、この構造が非常に効果的に働きます。

また、ジャバラ折りは折り目の数に制限がなく、2つでも3つでも、さらに多い数でも自由に設定することができます。この柔軟性によって、印刷物の内容や掲載したい情報量に合わせて最適な構成を作ることが可能になります。たとえば観光案内のパンフレットであれば、各観光地の紹介を1面ずつ配置して、順番に読み進められるようにデザインすることができます。企業の製品カタログであれば、表面に製品の概要、裏面に詳細情報を配置するなど、目的に合わせた構成がしやすいのが魅力です。

印刷現場や制作の場面では、ジャバラ折りは折り目の数と面数の関係を正しく理解しておくことが非常に大切になります。折り目の数に1を足した数が面数になるという基本的な考え方を知らないと、仕様書の作成や見積もりの段階で混乱が起こりやすくなります。たとえば「3折ジャバラ」と言われた場合、折り目が3つなので面数は4つになります。このように、呼び方と実際の面数の関係を正しく理解しておくことで、印刷物の仕上がりを正確にイメージし、デザインやレイアウトを適切に組み立てることができます。

さらに、ジャバラ折りはその構造上、折り精度や紙質の影響を受けやすいという側面もあります。折り位置がずれてしまうと、広げたときに面が揃わなかったり、折りたたんだときにきれいに重ならなかったりするため、仕上がりの印象に大きく関わってきます。この点は、第6ブロック以降で詳しく解説しますが、印刷物の品質を高めるためには欠かせない要素です。見た目がきれいで使いやすいジャバラ折りを作るには、単に折るだけではなく、制作前の設計段階から折り加工の特性を踏まえた工夫が必要になります。

このように、ジャバラ折りは見た目の美しさと実用性を兼ね備えた折り加工であり、パンフレットやカタログなどさまざまな印刷物に応用できます。谷折りと山折りを交互に繰り返すというシンプルな構造でありながら、情報を整理して伝える力が高く、デザイン次第で幅広い用途に対応できる点が魅力です。印刷初心者にとっても、基本を押さえれば応用しやすい加工であり、印刷物の表現力を広げるきっかけになります。

谷折りと山折りを交互に繰り返す構造を解説!ジャバラ折りの基本的な仕組み

ジャバラ折りを理解するうえで避けて通れないのが、谷折りと山折りの構造を正しく把握することです。一見すると単純に紙を交互に折り返しているだけのように見えますが、実際には折り方の方向や順番によって仕上がりの見た目や展開のしやすさが大きく変わります。まず、谷折りと山折りという言葉の意味をしっかり押さえることが大切です。谷折りとは、紙を自分のほうに折り込む折り方で、折り目が谷のようにへこんで見えるのが特徴です。一方、山折りは紙を自分から外側に折る方法で、折り目が山のように盛り上がって見えることからこの名前が付いています。

この二つの折り方を交互に繰り返していくことで、紙全体が蛇腹のような構造になります。たとえば、最初に紙を谷折りし、次にその隣の折り目を山折りにすると、折り重ねたときに紙が交互に重なり合い、コンパクトにまとまります。その次の折り目は再び谷折りとなり、さらに次は山折りと続いていきます。この交互のリズムこそがジャバラ折りの特徴であり、他の折り加工と見た目の印象を大きく分けるポイントでもあります。

巻き三つ折りなどの場合、紙を一定方向に巻き込んでいくため、開いたときに一方向に展開されるのが特徴です。しかしジャバラ折りでは、谷折りと山折りを交互に行うことで、紙が左右にジグザグに折り畳まれます。そのため、広げたときには折り目が一直線に並び、ページごとの切れ目がはっきりと見える状態になります。これによって、一枚の紙でありながら複数ページを順番に展開でき、パンフレットや資料を渡された人が直感的に内容を読み進めやすくなるというメリットが生まれます。

さらに、谷折りと山折りの構造は、印刷データを作成する段階でも大きく影響します。ジャバラ折りは、交互に折り返されるため、展開時には裏表の両面が交互に並ぶ構造になります。このとき、面ごとの順番を正しく理解していないと、印刷後に意図しない並びになってしまう可能性があります。たとえば、A面、B面、C面、D面と続く4面のパンフレットを制作するとき、折り順に合わせたデータ配置をしていないと、山折り部分と谷折り部分で順番が逆転してしまい、内容が前後してしまうことがあります。そのため、折り順に合わせて面付けを行うことが非常に重要です。

また、谷折りと山折りの違いは、実際に手で折ったときの感覚にも影響します。谷折りは紙を自分に引き寄せるように折るため、紙が内側にたたまれます。一方、山折りは紙を外側に押し出すように折るため、折った部分が手前ではなく奥側に出るような形になります。この違いを意識せずに作業を進めると、折り順を間違えてしまうこともあるため、印刷会社にデータを渡す際や、社内で試作を行う際には必ず順番を確認することが大切です。

ジャバラ折りは、折り方が交互になるため、折り目の位置が紙全体の仕上がりに直結します。谷折りと山折りの位置が少しでもずれてしまうと、折り畳んだときに面が揃わなくなり、仕上がりに歪みが生じてしまいます。特に紙の厚みがある場合は、山折りと谷折りで折りたたんだときの重なり方が異なるため、1mm程度のズレでも全体に影響が及ぶことがあります。そのため、データ制作の段階から折り位置を正確に設定し、折り方向を明確に指定することが非常に重要です。

さらに、谷折りと山折りを交互に繰り返す構造は、デザインのレイアウトにも影響を与えます。ジャバラ折りは一枚の紙を連続的に使用するため、全体を見開きでデザインすることも可能です。その一方で、折り目ごとに独立したページのように扱うこともできます。この2つのデザイン手法を組み合わせることで、連続性のあるストーリー展開と、1面ごとの情報整理を両立できるのがジャバラ折りの魅力です。たとえば、企業紹介のパンフレットでは、表面全体を大きなビジュアルで構成し、裏面を折りごとに製品情報やサービス紹介を配置するなど、情報の見せ方に幅を持たせることができます。

このように、谷折りと山折りの構造を正しく理解することで、ジャバラ折りの特徴を最大限に活かした印刷物の制作が可能になります。単に紙を折るだけではなく、折り方向、順番、面の配置、折り位置の精度といった細かな部分を意識することで、見た目も機能性も優れた仕上がりを実現できます。

折り目の数と面数の数え方をわかりやすく紹介し制作時の混乱を防ぐ

ジャバラ折りの印刷物を制作するときに、もっとも多くの人がつまずきやすいのが「折り目の数」と「面数」の数え方です。一見単純なように見えて、実際に仕様書や見積書、デザインデータを作成する段階になると混乱する人が多くいます。とくに印刷に慣れていない人にとっては、折り目と面数の関係を明確に把握していないことで、完成品のイメージと実際の仕上がりがずれてしまうことも少なくありません。ここでは、その基本的な考え方を丁寧に解説していきます。

まず押さえておきたいのは、ジャバラ折りの「面数」は、折り目の数に1を足した数で決まるという点です。たとえば、折り目が2つの場合、面数は3面になります。折り目が3つなら4面、折り目が4つなら5面という具合です。この法則を知らずに「3折だから3面」と思い込んでしまうと、面数の設定を誤り、印刷データのページ数や仕様書の記載にズレが生じる原因になります。ジャバラ折りは折り目を基準にして構造が組み立てられていくため、この基本式を理解することが非常に大切です。

なぜ折り目+1が面数になるのかというと、紙を折るごとに新しい面が生まれるからです。1枚の紙に最初の折り目を入れると、紙は2つの面に分かれます。さらにもう1つ折り目を加えると、紙がもう1つの方向に折り返され、合計3面になります。このように、折り目が増えるたびに面が1つずつ増えていく構造になっているのがジャバラ折りの特徴です。実際に紙を手で折ってみると、この関係性がよく理解できます。印刷の現場では、こうした基礎的な数え方を身につけておくことで、仕様の伝達や見積もり作成が格段にスムーズになります。

この数え方を理解していないと、特に複数ページにわたるジャバラ折りのパンフレットなどで誤解が生まれやすくなります。例えば、4折ジャバラのパンフレットを作りたい場合、折り目が4つなので面数は5面です。ところが、「4折だから4ページ」と思い込んでしまうと、印刷データを4ページ分しか用意していなかった、という事態になりかねません。このようなミスはデザインや印刷の工程に入ってから発覚することも多く、修正に余計な手間やコストがかかってしまうこともあります。あらかじめ面数の数え方を正しく理解しておくことで、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。

また、仕様書や見積書を作成するときには、「折り目の数」と「面数」の両方を明確に記載しておくことが非常に重要です。印刷会社によっては、折り数で仕様を伝えるところもあれば、面数で伝えるところもあります。両方の表記を記載しておくことで、認識のずれを防ぎ、スムーズなやり取りにつながります。たとえば「折り目4本・5面ジャバラ折り」というように記載すれば、折り加工の構造がひと目で伝わりやすくなります。

さらに、ジャバラ折りは折り方向が交互になるため、表面と裏面のページの順番にも注意が必要です。面数が多くなると、データ上で表裏が入り混じりやすく、どの面が折りたたんだときの表紙になるのか、どこが裏面になるのかが分かりにくくなることがあります。とくに5面以上の構成になると、ページ順の誤りが起きやすいため、折り順と面数を対応させた展開図を作成することが効果的です。展開図を作ることで、どの面にどの情報を配置するかを明確にでき、印刷後の仕上がりを正確にイメージする助けになります。

加えて、折り目と面数の関係を理解しておくことは、デザイン制作にも大きく役立ちます。ジャバラ折りは展開時に連続した紙面になるため、全体を一枚のデザインとして作成することが可能です。しかし、折り位置が面ごとに存在するため、各面を1ページのように扱うこともできます。このとき、どの位置に折り目が入るかを意識せずにデザインを進めると、文字や図版が折り目にかかって読みにくくなったり、広げたときにページ順がずれて見えるといった問題が発生します。折り目と面数を正しく把握していれば、こうしたトラブルを回避しながら、見た目にも読みやすく構成された印刷物を作成することができます。

実際の現場では、ジャバラ折りの仕様を伝える際に「○折」「○面」「○ページ」が混在することが多く、そこが誤解のもとになりやすいポイントです。例えば、8ページのパンフレットを作りたい場合、ジャバラ折りにするなら折り目は7本必要です。このような数字の対応関係を理解しておくと、仕様書の作成やデザインデータのページ割りの段階で混乱することがなくなります。印刷会社との打ち合わせでも、共通の認識を持って話ができるため、やり取りがスムーズに進み、納期やコスト面でも無駄が少なくなります。

この折り目と面数の関係は、ジャバラ折りを活用するうえで避けて通れない基礎知識です。単純なように見えて、実際の制作現場では非常に重要な役割を果たします。しっかりと理解しておくことで、デザインや印刷の段階で余計な修正ややり直しを防ぎ、計画通りの仕上がりを実現することができます。

印刷現場でよく使われるジャバラ折りの代表的なパターンを紹介

ジャバラ折りは折り目の数によって構成が大きく変わり、それに伴って印刷物の見せ方や用途も多様になります。折り目の本数を増減させるだけで印象や使い勝手が変化するため、代表的なパターンを把握しておくことは、デザインや印刷仕様を検討するうえで非常に役立ちます。ここでは、印刷現場でよく使われる折りパターンを取り上げ、それぞれの特徴や活用しやすい場面を丁寧に解説していきます。

もっとも基本的な構成は、2折ジャバラと呼ばれる形式です。折り目が2本なので面数は3面となり、コンパクトに仕上げつつも、広げると一続きの情報を展開できる構造です。観光地の簡易パンフレットやちょっとしたイベントの案内など、情報量はそれほど多くないものの、見開き効果を出したいときに使われることが多い構成です。折りたたんだ状態では片手に収まるサイズにでき、広げたときに全体像を把握しやすいため、シンプルで使いやすいのが特徴です。

次に多いのが3折ジャバラです。折り目が3本で面数は4面となり、情報を順番に整理して伝えたいときに適しています。会社案内や商品紹介のリーフレットなどで多く用いられる形式で、表紙・中面・裏面といった構成を取りやすいのが利点です。例えば表面にタイトルやメインビジュアルを配置し、中面2ページで詳細情報を展開し、裏面にお問い合わせ先や地図などを載せるといった構成が自然に収まります。巻き三つ折りと似たページ数ですが、開いたときに左右にスムーズに展開できるため、閲覧性が高く、ページの境目が明確に見えるのがジャバラ折りの特徴です。

4折ジャバラになると面数は5面となり、掲載できる情報量が一気に増えます。展示会資料やサービス紹介パンフレットなど、段階的に情報を伝えたい場合によく使われる構成です。各面を1つの章のように区切ることもできますし、全体を見開きとして大きなビジュアルを展開することもできます。広げたときの長さが増すため、折り精度やレイアウトの工夫が必要になりますが、その分、完成時には非常に見応えのある印刷物になります。

さらに折り目を増やしていくと、6折、8折といった多面構成のジャバラ折りも存在します。こうした多折のパターンは、商品カタログや観光マップなど、ページ数が多く、情報量が豊富な印刷物に向いています。広げたときに横長の大判サイズになるため、情報を整理して配置することで見やすくインパクトのある資料を作ることが可能です。例えば、8折ジャバラは折り目が8本なので面数は9面となり、1ページごとに異なる製品やサービスを紹介する形式に適しています。広げると一覧性が高まり、対面営業やイベントでの資料配布などで効果を発揮します。

こうした多面構成のジャバラ折りは、単なるパンフレットという枠を超えて、マップや年表、タイムラインなど、情報を順序立てて展開したい場面でも非常に役立ちます。例えば観光マップでは、各スポットを1面ずつ配置して順番に巡るルートを示したり、企業の沿革紹介では年表を横長に並べて視覚的に伝えるなど、通常の冊子形式では得られない表現が可能です。ジャバラ折りならではの展開のしやすさと連続性を活かすことで、内容を自然な流れで読んでもらえるというメリットがあります。

ただし、折り目が多くなると仕上がりの精度や紙の厚みへの対応が求められるため、制作時には細かな調整が必要になります。折りズレが生じると、広げたときに面が揃わなかったり、折りたたんだときにきれいに重ならなかったりすることがあるため、印刷会社と連携しながら適切な折り設計を行うことが大切です。また、紙の厚みやサイズによっては自動折機が対応できる折り数に制限がある場合もあるため、仕様を決める段階で確認しておくと安心です。

ジャバラ折りの折り数を選ぶ際には、単にページ数を増やしたいという視点だけでなく、どのような場面で配布するのか、どのような順番で読んでほしいのかといった使用シーンを踏まえて考えることが重要です。2折や3折であれば手軽で扱いやすく、シンプルな情報伝達に適しています。一方、4折以上の多折構成は、情報量が多い場合やインパクトを与えたいときに効果的です。それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて適切な構成を選ぶことで、印刷物の仕上がりや使い勝手が大きく変わってきます。

このように、ジャバラ折りには多様なパターンがあり、それぞれに向いている用途や見せ方があります。代表的なパターンを把握しておくことで、制作の企画段階から具体的なイメージを持って検討することができ、仕上がりのクオリティや伝わり方にも良い影響を与えます。

ジャバラ折りの印刷物が活躍する場面をわかりやすく紹介

ジャバラ折りは、その構造上の特徴から、さまざまな場面で活用できる柔軟な折り加工です。谷折りと山折りを交互に繰り返すことで生まれる蛇腹状の形は、コンパクトにまとめられる一方で、広げたときには長く連続した紙面を展開できるため、情報を順序立てて伝えたいときや、見た目にインパクトを与えたいときに特に効果を発揮します。ここでは、印刷の現場で実際にジャバラ折りがどのようなシーンで活用されているのかを、具体的なイメージを交えながら丁寧に紹介していきます。

もっとも身近な活用例として挙げられるのが、企業案内や会社パンフレットです。企業の理念やサービス内容、沿革、事業紹介などを順序立てて伝える場合、ジャバラ折りを使うことで、受け取った人がページをめくることなくスムーズに情報を追えるようになります。例えば、表紙で企業の印象を伝え、中面の各ページで事業の柱やサービス内容を紹介し、最後の面にお問い合わせ情報やアクセスマップを掲載する、といった構成が自然にできます。冊子形式ではページをめくらなければ全体像が見えませんが、ジャバラ折りなら広げるだけで企業全体の情報が一望でき、説明資料としての活用にも非常に便利です。

次に活用される機会が多いのが、商品カタログやサービス紹介の資料です。ジャバラ折りはページ数を柔軟に設定できるため、製品ラインナップやサービスの内容を整理しながら、見やすく並べて紹介するのに適しています。例えば、1面ごとに異なる製品を掲載し、順番に開いていくことで、自然なストーリー性を持たせることができます。裏面にはスペック表や価格表をまとめて掲載するなど、表と裏で情報の役割を分けることで、読み手が迷わずに目的の情報にたどり着ける構成を作ることが可能です。営業資料として手渡す際にも、見開きで製品全体を説明できるため、プレゼンテーションツールとしての使い勝手も優れています。

観光や地域紹介の分野でも、ジャバラ折りは非常に重宝されています。観光地のパンフレットでは、地図や観光ルートを連続的に見せる必要があるため、ジャバラ折りの特性がぴったりです。各観光スポットを1面ずつ配置し、順番に開いていくことで、自然な流れで観光の行程を案内できます。また、裏面に詳細な地図や交通アクセス情報をまとめて掲載することで、手に取った人がそのまま持ち歩き、ガイドとして活用できる資料になります。巻き三つ折りや二つ折りでは紙面が限られますが、ジャバラ折りなら面数を増やして多くの情報をわかりやすく整理することができます。

イベントや展示会の場面でも、ジャバラ折りは効果的に使われます。例えば展示会のブースで配布する資料では、企業紹介や製品情報、イベントのスケジュールなどを一枚の資料にまとめる必要があります。このとき、ジャバラ折りを活用すれば、来場者が資料を開いていくだけで自然と情報が展開され、順を追って理解できる構成を作ることができます。複数の製品やサービスを紹介する場合でも、折り目ごとにページを割り当てることで整理された印象を与えられますし、裏面を大きなビジュアルや一覧表として使えば、展示ブース内での説明にも活用できます。

教育や研修の資料として活用されるケースも少なくありません。研修プログラムの概要やスケジュール、会場案内などをジャバラ折りにまとめることで、受講者が一目で全体像を把握しやすくなります。特に、時間の流れや工程を時系列で説明する資料では、蛇腹状の連続した紙面が非常に有効です。冊子形式のようにページをめくる必要がないため、手元で広げながら確認できるという利点があります。

さらに、広告や販促ツールとしてもジャバラ折りは活躍の幅が広がっています。キャンペーンの案内やクーポン、店舗情報を折りごとに配置することで、情報を整理しつつ目を引く構成にできます。例えば、表面でキャンペーンの概要を伝え、内側の各面で対象商品やサービスを紹介し、最後にクーポンやQRコードを掲載するといった展開は、消費者にとっても理解しやすい構成です。折りたたんだ状態ではコンパクトなリーフレットとして配布できるため、ポスティングや街頭配布にも適しています。

このように、ジャバラ折りは企業案内、商品カタログ、観光パンフレット、イベント資料、教育資料、販促ツールなど、さまざまなシーンで柔軟に活用できる折り加工です。折り数や紙のサイズ、レイアウトの工夫次第で、情報の伝わり方や資料の印象が大きく変わるため、企画段階で使用シーンをしっかり想定しておくことが効果的です。冊子ではなく一枚の紙を活かした構造だからこそ、開いたときのインパクトや一覧性を重視した資料づくりが可能になります。

仕上がりを美しく見せるために意識したい折り精度と印刷レイアウトの工夫

ジャバラ折りは、谷折りと山折りを交互に繰り返す構造上、折り位置の精度が仕上がりの印象を大きく左右します。わずかなズレでも折り畳んだときに面がきれいに揃わなくなったり、広げたときに段差が目立ったりするため、制作段階から折り精度とレイアウトの工夫を意識しておくことがとても大切です。ここでは、印刷物を美しく仕上げるために押さえておきたい具体的なポイントを丁寧に解説していきます。

まず最初に重要になるのが、折り位置の設計です。ジャバラ折りでは折り目が交互に並ぶため、紙の厚みやサイズによって、内側に折られる面と外側に折られる面で長さの微調整が必要になることがあります。特に厚手の紙を使用する場合、折り位置を等間隔に設定してしまうと、実際に折ったときに内側の面がつっぱって浮いてしまう、または外側の面が余ってずれるといった問題が発生します。このため、紙厚に応じて数ミリ単位で折り幅を調整し、仕上がりのズレを防ぐことが重要です。印刷会社では「スキ」を設けると呼ばれるこの調整を行い、折ったときに各面がぴったりと揃うように設計します。

折り精度に影響を与える要素は、紙厚だけではありません。紙の種類によっても折りやすさや折りズレの出方が異なります。例えば、コート紙のように表面がツルツルしている紙は、折り機を通すときに滑りやすく、わずかなズレが生じることがあります。一方、上質紙などの非塗工紙は摩擦が大きいため、しっかりと折り目が付く反面、紙粉が発生しやすいことがあります。こうした紙ごとの特性を踏まえて、折り機の設定や折り順の確認を事前に行うことで、折りズレを最小限に抑えることができます。

印刷データのレイアウト段階でも、折り精度を意識した設計が必要です。ジャバラ折りは折り目ごとにページが分かれるため、デザインの段階で折り位置を明確に設定し、文字や画像が折り目にかからないように配置することが大切です。特に、折り目の上に文字が乗っていると、折った際に読みづらくなったり、広げたときに文字がずれて見えたりするため注意が必要です。本文の文字や重要な情報は折り線から数ミリ以上内側に配置し、折り目部分は余白を設けるようにすると仕上がりが美しくなります。画像を見開きにまたがって配置する場合も、折り位置で切れて違和感が出ないように調整することが求められます。

また、ジャバラ折りの印刷物では、両面のデザインの整合性も非常に重要です。表面と裏面で折り位置がずれていると、裏表で見たときに段差が出てしまい、完成品の印象が損なわれます。裏面のデザインを配置するときは、表面と折り位置を完全に一致させることが基本です。展開図を作成して、表裏両方のデザインを重ね合わせながら確認すると、折りズレによるデザインの崩れを防ぐことができます。

さらに、折り精度を高めるためには、仕上がりサイズと用紙サイズの設定にも注意が必要です。ジャバラ折りは折り数が増えるほど、折り誤差の累積が目立ちやすくなります。特に6折以上の多折構成では、1折ごとのわずかなズレが最終面で大きな段差となって現れることがあります。このため、印刷会社では本紙を使った試し折りを行い、実際の紙で仕上がりの確認をすることが一般的です。デザインデータを入稿する前に、簡単なプリントで折り位置を確認しておくことも、トラブルを防ぐうえで非常に有効です。

レイアウト上の工夫としては、折り線に沿って罫線やデザイン上の区切りを入れておく方法もあります。これによって、折り位置が視覚的にわかりやすくなるため、印刷後のズレが目立ちにくくなります。あえて折り線をデザインの一部として活用し、区切りや装飾として見せることで、ズレの影響を軽減しながらデザイン性を高めることも可能です。特に企業案内や商品カタログのように複数の情報を整理して配置する印刷物では、この方法が効果的です。

最後に、折り精度を高めるためには印刷会社との事前のやり取りも欠かせません。折り機の仕様や対応できる折り数、紙厚の上限などは印刷会社によって異なります。データ制作を始める前に仕様を確認し、折り数や紙質、仕上がりサイズなどを共有しておくことで、想定外のトラブルを防ぐことができます。特に多折構成や特殊サイズの印刷物を制作する場合は、初期段階で試作やテスト折りを依頼すると安心です。

このように、ジャバラ折りの印刷物を美しく仕上げるためには、折り位置の設計、紙質への理解、レイアウトの工夫、裏表の整合性、そして印刷会社との連携が欠かせません。わずかな配慮の差が、仕上がりの印象を大きく変えるポイントになります。

紙質や厚みの選び方で仕上がりが変わることを解説し適した用紙選定の考え方

ジャバラ折りの印刷物を制作する際、デザインや折り精度と同じくらい重要になるのが、用紙の選び方です。紙質や厚みは、折りやすさや仕上がりの見た目、手に取ったときの印象に大きな影響を与えます。適した紙を選ばなければ、折り目が割れてしまったり、きれいに畳めなかったりといったトラブルにつながることもあるため、用途に応じた適切な用紙選定が欠かせません。ここでは、ジャバラ折りにおける紙質と厚みの考え方を丁寧に解説していきます。

まず紙の厚みについて見ていきましょう。一般的に、ジャバラ折りで使われる紙は、四六判換算で90kgから135kg程度の厚さが多く選ばれます。90kg程度の薄手の紙は、折りやすく、折り目もきれいにつくため、折りズレや割れが起きにくいという特徴があります。観光パンフレットやDMなど、持ち運びやすさを重視する資料に適しています。一方、110kg〜135kg程度の中厚の紙は、しっかりとした質感を持ちながらも折りやすく、企業案内や商品カタログなど、印象を大切にしたい資料に向いています。厚みがあることで高級感が増し、広げたときにも安定感が出るため、対面営業などでも扱いやすいのが特徴です。

一方で、厚すぎる紙を選ぶと、ジャバラ折り特有の構造がうまく機能しない場合があります。例えば、180kg以上の紙のようにしっかりとした厚紙は、折ったときに谷折りや山折りの部分で割れが生じやすく、折り位置のズレも顕著になります。また、折り畳んだときにかさばってしまい、面がそろいにくくなることもあります。このため、厚紙を使用したい場合は、折り加工の前に筋押し(スジ入れ)を行って折りやすくする工夫が必要になります。筋押しを入れることで折り位置が明確になり、紙割れの防止にもつながりますが、用紙と折り数の組み合わせによっては機械加工が難しくなるケースもあるため注意が必要です。

次に紙質についてです。コート紙、マットコート紙、上質紙など、用途に応じて選択肢はさまざまですが、それぞれにジャバラ折りとの相性があります。コート紙は表面が滑らかで発色が良いため、写真やビジュアルを多用するデザインに適しています。ただし、コート紙は折り機に通す際に滑りやすく、折りズレが生じやすい点に注意が必要です。特に多折構成のジャバラ折りでは、折り目のずれが目立ちやすいため、精度の高い折り加工が求められます。

マットコート紙は、コート紙よりも落ち着いた印象で、反射が少ないため文字が読みやすいのが特徴です。企業案内や製品紹介など、情報量が多い資料にはマットコート紙がよく使われます。折りやすさという点でも比較的扱いやすく、発色と可読性のバランスが取れているため、ジャバラ折りとの相性は非常に良好です。上質紙はインクが紙に染み込みやすいため、色味はやや沈んだ印象になりますが、ナチュラルで温かみのある雰囲気を演出したいときに向いています。折り目もきれいに付きやすいため、地図や説明資料など、情報重視の印刷物に適しています。

また、用途によっては特殊紙を使用するケースもあります。たとえば、光沢のあるパール紙やエンボス加工が施された紙などを使うと、ジャバラ折りを広げたときに視覚的なインパクトを与えることができます。ただし、こうした特殊紙は折り加工が難しいものも多く、筋押しや手折りが必要になる場合があります。仕上がりのイメージと加工の難易度を考慮しながら、印刷会社と相談して選ぶと安心です。

紙選びの際には、用途やデザインだけでなく、折り数とのバランスも重要です。折り数が少ない場合は多少厚みのある紙でもきれいに仕上がりますが、多折構成では薄手の紙のほうがズレが目立ちにくく、折り畳んだときも収まりが良くなります。たとえば8折ジャバラなどの場合、薄手の紙を選ばないと、折り重ねた際に厚みが増しすぎて仕上がりが膨らんでしまうことがあります。逆に2折や3折などの少ない構成であれば、厚めの紙を選んでしっかりとした印象を出すことが可能です。

このように、ジャバラ折りにおける紙質と厚みの選定は、見た目の美しさや使い勝手に直結します。薄すぎても頼りない印象になり、厚すぎても折りズレや割れが発生しやすくなるため、用途に合わせた適切な厚みを選ぶことが肝心です。コート紙やマットコート紙などの一般的な用紙であれば、90kg〜135kg程度を基準に考えると失敗が少なく、デザインと折り加工の両面からバランスの良い仕上がりが期待できます。

大量印刷や長期的な活用を想定したときに意識したい制作上の注意点と保管方法

ジャバラ折りの印刷物は、その特有の構造から大量印刷を行う場合や、長期間にわたって活用する場合にいくつかの注意点があります。制作時に適切な対応をしておかないと、仕上がりに微妙なズレや変形が生じたり、保管中に紙が波打つといったトラブルにつながることがあります。とくに企業案内や展示会資料、イベント配布物など、まとまった数を一度に印刷して長期的に使用するケースでは、最初の段階でしっかりと対策を講じておくことが大切です。ここでは、大量印刷と長期保管の両方の観点から、制作と保管のポイントを丁寧に解説していきます。

まず制作段階で意識したいのは、折り精度と紙の伸縮を考慮したデータ設計です。ジャバラ折りは谷折りと山折りが交互に続くため、わずかな折りズレでも全体の見た目に影響が出ます。特に折り数が多い場合、1ミリにも満たない誤差が重なって、最後の面で大きなズレとして表れることがあります。そのため、デザイン段階で1面ごとの幅をきっちりと設定し、紙厚や折り方向に合わせて若干の調整を行うことが重要です。印刷会社では「巻き代」と呼ばれる微調整を行うことがありますが、これはジャバラ折りでも有効です。紙の厚みによっては、内側になる折り部分をわずかに狭く設定しておくことで、折り重ねたときにぴったりと揃うように仕上げることができます。

また、印刷時の紙の伸縮にも注意が必要です。紙は湿度や温度によって微妙に伸び縮みする性質を持っています。大量印刷を行うと、印刷機の熱や湿気によって、最初に刷ったものと最後に刷ったものとで寸法がわずかに異なることがあります。ジャバラ折りはそのズレが折り位置に影響するため、印刷工程と折り加工の間に時間を置きすぎないようにする、紙を適切な環境で保管してから加工するなどの工夫が求められます。特に夏場や梅雨時など湿度が高い時期には、紙が水分を吸って波打ちやすいため、印刷から折り加工までの工程をできるだけ短時間で進めることが望ましいとされています。

さらに、大量印刷では加工機の設定にも注意が必要です。少部数であれば多少の調整で対応できても、何千部、何万部といった規模になると、最初の設定のズレがそのまま全体に反映されてしまいます。折り機のローラーやガイドの調整をきちんと行い、折り目の位置や角度を細かく確認してから本格的な加工に入ることが大切です。印刷会社では本刷りに入る前に必ず見本を数部折って確認しますが、この工程を省略せず、実際の紙と同じ条件で試すことが仕上がり精度を高めるポイントになります。

次に、長期保管における注意点について見ていきましょう。ジャバラ折りの印刷物は、畳んだ状態で長期間置いておくと、折り目部分にテンションがかかり続けるため、時間の経過とともにわずかに浮きやズレが生じることがあります。特に厚めの紙を使用している場合、この影響が顕著です。こうした変形を防ぐためには、印刷物を束ねる際に過度に締め付けないこと、平置きで積み重ねる際に上から均一に重しをかけるなど、形を保った状態で保管する工夫が必要です。立てかけるように収納すると、重力によって折り部分が広がってしまい、配布時に美しい状態を保ちにくくなるため避けた方が良いでしょう。

保管環境も非常に重要です。紙は湿度の影響を強く受けるため、湿度が高い場所で長期間保管すると、折り目が波打ったり、全体がふくらんでしまうことがあります。逆に乾燥しすぎても紙が反り返ったり、パリパリと割れやすくなることがあります。一般的には湿度40〜60%程度、直射日光の当たらない涼しい場所での保管が望ましいとされています。また、保管中に温度や湿度が急激に変化すると、紙の状態が一気に崩れる場合もあるため、安定した環境を保つことが理想です。

大量印刷をしたジャバラ折りの印刷物は、一度にすべてを使い切らず、イベントや営業のたびに少しずつ取り出して使うケースも多くあります。そのため、段ボールに詰めたまま倉庫で保管するのではなく、定期的に状態を確認し、必要に応じて入れ替えや再梱包を行うことが大切です。長期保管の際には、最初に使う分と予備分を分けて管理しておくと、配布時に状態の良いものを優先的に使えるためおすすめです。

最後に、制作段階と保管段階の両方で意識しておきたいのは、印刷会社との連携です。折り数、紙厚、保管期間などをあらかじめ伝えておくことで、適切な用紙や折り加工、梱包方法を提案してもらえることがあります。特に長期保管が前提の場合は、あらかじめ筋押しを追加する、パッケージング方法を工夫するなど、加工の段階で将来的な変形を最小限に抑える方法を検討することができます。最初に少し手間をかけることで、後々のトラブルや無駄を大きく減らすことができるのです。

このように、大量印刷や長期保管を見据えた制作と保管の工夫は、ジャバラ折りの美しい仕上がりを長く保つために欠かせません。データの設計、加工機の設定、印刷工程のタイミング、保管環境など、複数の要素を丁寧に整えることで、どのタイミングで配布しても安心して使える印刷物を実現できます。

他の折り加工と比較しながらジャバラ折りの特徴!効果的な活用方法!

ジャバラ折りの魅力を十分に活かすためには、他の折り加工との違いをしっかりと理解しておくことが欠かせません。印刷物の形や見せ方は、情報の伝わり方や読み手の印象を大きく左右します。巻き三つ折りや二つ折りなど、よく使われる折り方とジャバラ折りを比較することで、それぞれの特徴を把握し、用途に合わせて最適な方法を選ぶことができます。

まず、巻き三つ折りと比較してみましょう。巻き三つ折りは、1枚の紙を内側に巻き込むようにして三つ折りにする方法で、パンフレットやDMで非常によく使われています。最大の特徴は、コンパクトに畳めることです。折りたたむとすっきりとした形になり、封筒への封入や郵送にも適しています。ただし、巻き込む構造上、内側の面が他の面よりわずかに小さくなり、デザイン時には「巻き代」と呼ばれる幅の調整が必要です。また、ページを順にめくるようにして読む形式になるため、一度に全体を広げて見せるという使い方には向いていません。

一方、ジャバラ折りは谷折りと山折りを交互に繰り返す構造になっており、すべての面が同じ幅で構成されるのが大きな特徴です。巻き三つ折りのように巻き込む部分がないため、デザイン上の調整がシンプルで、すべての面を均等にレイアウトできます。また、折りを広げると一連のページが横に連なって展開されるため、一度に多くの情報を見せることが可能です。地図や年表、製品ラインナップなど、全体を見渡したい場合には非常に効果的な折り方といえます。ただし、巻き三つ折りに比べると封入時にややかさばる傾向があり、郵送には工夫が必要になることもあります。

次に、二つ折りとの比較を見ていきましょう。二つ折りは最もシンプルな折り加工で、冊子やチラシで頻繁に使われます。1回折るだけなので、加工精度の面でも安定しており、コストも比較的低く抑えられます。見開きで情報を大きく見せることができるため、強いインパクトを与えたい表紙やポスター的なデザインにも適しています。しかし、ページ数が限られてしまうため、情報量が多い資料には向きません。また、読み手が展開して読む動作が少ない分、情報を順序立てて見せるというよりは、全体を一目で見せる構成が求められます。

ジャバラ折りは二つ折りに比べて構造が複雑ですが、面数を増やすことで多くの情報を整理しながら順序立てて見せることができます。例えば、商品説明やサービスの流れ、観光案内などを、順番に展開しながら見せたい場合にはジャバラ折りが適しています。さらに、折りをすべて広げることで一枚の大きな紙として見せることもできるため、展示会などで資料を広げて説明する場面にもよく利用されます。

このように、巻き三つ折りはコンパクトさと郵送適性、二つ折りはシンプルさとインパクト、ジャバラ折りは展開性と多面構成という、それぞれ異なる特徴を持っています。印刷物をどのような場面で使用するのか、読み手にどう見せたいのかを踏まえて折り加工を選ぶことで、仕上がりの印象や伝わり方が大きく変わってきます。

たとえば、DMであれば巻き三つ折りのようにコンパクトにまとめた方が扱いやすい場合が多いですが、観光案内や製品ラインナップなどではジャバラ折りで一気に広げて見せた方が効果的です。また、シンプルな情報を強く印象付けたいポスター的なチラシであれば二つ折りが適しています。このように、それぞれの折り加工の特性を理解して使い分けることで、印刷物の役割や目的により合った仕上がりを実現することができます。

ジャバラ折りは特に、構造上の自由度が高く、デザインの可能性を広げやすい折り方です。全体を一望できる構成にするか、ページを順に展開する構成にするかによって印象が大きく変わります。その柔軟性を理解した上で、他の折り加工と比較しながら選択することが、印刷物の魅力を引き出す大きなポイントとなります。

まとめ

ジャバラ折りは、谷折りと山折りを交互に繰り返すことで、蛇腹のように折り畳む構造を持つ折り加工です。パンフレットや案内資料、カタログなど幅広い用途に活用され、情報を順序立てて展開したり、一度に全体を見せたりできる柔軟な構成が魅力です。制作の際には、折り目の数と面数の関係を正しく理解し、デザインデータで面幅を正確に設定することが欠かせません。特に多折構成では、わずかな誤差が仕上がりに影響するため、紙厚に合わせた細かな調整が必要になります。

折り方の特徴を理解すると、巻き三つ折りや二つ折りとの違いも明確に見えてきます。巻き三つ折りはコンパクトで郵送に適し、二つ折りはシンプルでインパクトを与えやすい一方、ジャバラ折りは展開力に優れ、情報量の多い資料や段階的な説明をしたい印刷物に最適です。折り加工を適切に選ぶことで、印刷物の印象や伝わり方を効果的にコントロールできます。

紙の厚みと種類も仕上がりを左右する重要な要素です。薄手の紙は折りやすく、厚手の紙は高級感を演出できますが、折りズレや紙割れを防ぐためには筋押しなどの加工を加える工夫が必要です。コート紙、マットコート紙、上質紙といった基本的な用紙の特性を理解し、用途に合わせて選ぶことで、読み手に心地よい仕上がりを提供できます。

大量印刷や長期保管を行う場合は、制作段階から紙の伸縮や折り精度への対策を講じることが大切です。印刷と折り加工の工程を適切なタイミングで進め、折り機の調整を丁寧に行うことで、大部数でも安定した品質を保てます。さらに、保管環境を整えることで、時間が経っても折り目がきれいな状態を維持することが可能になります。

初心者が迷いやすい折り目の数え方やレイアウト、用紙選びなどについても、基本を押さえておくことで制作のハードルはぐっと下がります。ジャバラ折りは一見複雑に見えますが、構造を理解し、適切な工程を踏めば非常に扱いやすく、見栄えのする印刷物をつくることができます。用途や内容に応じて折り加工を選び、紙やデザインと組み合わせることで、印刷物の魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。

よくある質問Q&A

ジャバラ折りとは具体的にどのような折り方ですか?

ジャバラ折りは、谷折りと山折りを交互に繰り返して仕上げる折り加工で、蛇腹のように折り畳まれることからこの名がついています。全体を広げると長い一枚の紙が連続した形で展開され、情報を順番に見せることも、一気に全体を見せることもできます。パンフレットや案内資料などでよく使われる折り方です。

ジャバラ折りとアコーディオン折りは同じですか?

はい、呼び方が違うだけで基本的な構造は同じです。日本では「ジャバラ折り」や「経本折り」と呼ばれることが多く、英語圏では「アコーディオン折り」と言われます。いずれも谷折りと山折りを交互に繰り返す折り方を指します。

折り目の数と面数の数え方がよくわからないのですが、どうすればよいですか?

ジャバラ折りでは「折り目の数+1=面の数」という数え方をします。例えば3つの折り目があれば、面の数は4面です。仕様書や見積もりで「何折り何面」と表記する際、この数え方を知っておくと混乱を防げます。

折り目をきれいに揃えるにはどうすればよいですか?

デザイン段階で各面の幅を正確に設定し、紙厚を考慮した微調整を行うことが大切です。特に折り数が多い場合、わずかなズレが最後に大きくなってしまうため、内側の面を少し狭く設定する「巻き代」の考え方を取り入れると仕上がりが美しくなります。

ジャバラ折りに向いている紙の厚さはどのくらいですか?

一般的には四六判換算で90kg〜135kg程度が使いやすいとされています。90kg程度なら折りやすく軽やかに仕上がり、110〜135kg程度なら高級感を出しながらきれいに折ることができます。厚すぎる紙は折りズレや割れの原因になるため注意が必要です。

紙の種類は何を選べばいいですか?

発色を重視するならコート紙、落ち着いた雰囲気と読みやすさを求めるならマットコート紙、自然な質感を活かしたい場合は上質紙がよく使われます。特殊紙を使う場合は折り加工の難易度が上がることがあるため、印刷会社と相談すると安心です。

ジャバラ折りを使うメリットは何ですか?

すべての面を均等に使えるため、デザインの自由度が高く、情報を順番に展開したり、一度に広げて見せたりと柔軟な使い方ができます。観光地の案内や製品紹介、イベント資料など、多面での表現が必要な印刷物に特に適しています。

巻き三つ折りとジャバラ折りの違いは何ですか?

巻き三つ折りはコンパクトにたためる一方、内側の面が少し小さくなるなどデザイン上の制約があります。ジャバラ折りは全ての面が同じ幅で構成され、広げたときの展開力が高いのが特徴です。用途に応じて使い分けるのがポイントです。

二つ折りとの違いはどこにありますか?

二つ折りはシンプルでインパクトを与えやすい反面、面数が少なく情報量に限りがあります。ジャバラ折りは多面構成にできるため、段階的な説明や複数項目を整理して見せたいときに向いています。

折りズレを防ぐために制作段階でできることはありますか?

各面の幅設定を正確に行い、紙厚に応じて微調整を加えることが基本です。また、印刷と折り加工の間を空けすぎず、紙の伸縮を考慮して進行することも効果的です。見本折りを事前に確認するのもおすすめです。

大量印刷する場合に気を付ける点はありますか?

最初の機械設定が全体に影響するため、折り機のローラーやガイドを丁寧に調整し、見本を確認してから本刷りすることが大切です。紙の伸縮や湿度変化にも注意し、印刷から折り加工までを短期間で進めることが望まれます。

長期間保管する場合の注意点はありますか?

折り目の形を保つために平置きで重しをかけ、湿度40〜60%の安定した環境で保管することが大切です。立てかけると折りが広がってしまうので避けましょう。定期的に状態を確認することも重要です。

郵送する場合にジャバラ折りは適していますか?

巻き三つ折りよりややかさばる傾向がありますが、サイズを調整すれば封筒に収めることも可能です。多折構成の場合は特に、たたんだ状態で厚みが増すため、事前に郵送料金を確認しておくと安心です。

筋押しは必要ですか?

厚めの紙や折り数が多い場合には筋押しを入れることで、折り目がきれいに仕上がり、紙割れを防ぐ効果があります。薄い紙では必ずしも必要ではありませんが、仕上がりを整えるうえで有効な方法です。

デザインの際に特に注意すべきことはありますか?

各面の区切りを明確にし、折り位置と文字や画像が重ならないようにすることが大切です。折り目に重要な情報を配置すると読みづらくなるため、少し内側に余白を取るときれいに仕上がります。

ジャバラ折りは何折まで可能ですか?

一般的には8折程度までが機械折りで対応しやすい範囲です。それ以上になると紙の厚みや加工の難易度が増し、仕上がりにも影響が出やすくなります。折り数が多い場合は、用紙の厚さや筋押しの有無なども慎重に検討する必要があります。

特殊紙を使うときの注意点はありますか?

パール紙やエンボス加工紙などは折りにくい場合があるため、筋押しや手折りが必要になることがあります。見た目の印象は高まりますが、加工費や納期に影響することもあるので事前に確認しましょう。

ジャバラ折りをプレゼン資料で使うのは向いていますか?

はい、非常に適しています。広げると一目で全体を見せられるため、サービスの流れや製品群、マップなどを見せるプレゼンにぴったりです。説明の流れを視覚的にサポートできる点が大きな利点です。

小ロットで作る場合も対応できますか?

オンデマンド印刷を活用すれば小ロットでもジャバラ折りを制作することが可能です。大量印刷に比べて単価は上がりますが、展示会やイベントなど、必要な分だけ用意したい場合に適しています。

印刷会社に依頼する際に伝えておくべきことはありますか?

折り数、面数、用紙の種類と厚さ、部数、保管期間や利用シーンなどをできるだけ具体的に伝えると、最適な加工方法を提案してもらえます。特に多折構成の場合は事前相談をしっかり行うことで仕上がりの精度が高まります。