DM折りとは何かを徹底解説!A3を二つ折りと巻き三つ折りで長3封筒に収める仕組み
2025.12.17

DM折りは、A3サイズの用紙を二つ折りと巻き三つ折りの工程で加工し、長3封筒にぴったり収まる形に仕上げる折り方です。1枚の紙で最大12ページ分の情報を展開できるため、イベント案内や商品紹介、企業のキャンペーンなど、幅広いシーンで活躍しています。封筒に入れたときの収まりが良く、開いたときに情報を段階的に伝えられる構造は、コンパクトさと訴求力を兼ね備えた非常に実用的な手法といえるでしょう。
ただし、見た目がきれいで受け取った人に良い印象を与えるDM折りを作るためには、構造やサイズを理解したうえで、折り位置の設計やデザインの配置、印刷設定、封入方法など、制作の各段階で丁寧な工夫を積み重ねることが欠かせません。折り目や端のわずかなズレでも仕上がりの印象は大きく変わってしまうため、事前の計画と正確なデータ作成が大切です。巻き三つ折りの内側パネルを数ミリ短くするなど、細かな調整を行うことで、美しく収まりの良いDM折りに仕上げることができます。
さらに、印刷会社とのやり取りを円滑にすることも、制作をスムーズに進めるうえで重要なポイントです。用紙の種類や折り位置、納期などの仕様を明確に共有し、束見本や簡易サンプルを確認することで、ズレや誤解を防げます。封入や発送まで依頼する場合は、宛名の位置や封入方向なども細かく指示しておくと、仕上がりの精度が高まります。印刷だけでなく、加工・封入・配布までを一貫して見据えた計画を立てることで、トータルの品質と効率を高めることが可能です。
配布や郵送の段階では、表紙デザインのインパクトや封筒の印象、QR画像などを活用したデジタルとの連携によって、開封率や反応率をさらに高められます。配布計画や発送リストを丁寧に整備し、最適なタイミングを見極めることで、より効果的な販促活動につなげることができます。保管や取り扱いにおいても、湿度・温度の管理や折り目のプレスなどの工夫を施すことで、長期間きれいな状態を保ち、複数回の配布にも対応できるようになります。
DM折りは、単なる折り加工ではなく、設計・印刷・封入・配布・保管の各工程を丁寧に整えることで、受け取った人に強い印象を残す販促ツールへと変わります。限られた紙面に多くの情報を整理して盛り込みつつ、スマートに届けられる点は、多くの企業や団体にとって大きな魅力です。正確な設計と細部への配慮を重ねることで、見た目も機能も優れたDM折りを制作し、効果的なコミュニケーションに役立てることができます。
- DM折りとは何かをわかりやすく解説、折り方の全体像をつかむ
- DM折りに適した用紙サイズとしてA3が選ばれる理由と実用的な活用シーン
- 二つ折りを取り入れることでA3用紙を効率的に折る基本的な工程
- 巻き三つ折りを組み合わせることでDM折りの仕上がりを長3封筒にぴったり収める
- DM折りを活用してイベント案内や商品紹介を効果的に届ける実践的な活用アイデア
- DM折りの制作で押さえておきたい印刷やデザインのポイントを丁寧に説明する
- DM折りを封筒に入れる際に気を付けたいサイズの調整と仕上がり
- DM折りの制作や封入を効率化するために知っておきたい発注時のチェック項目
- DM折りを活用した印刷物の配布や郵送で成果を高めるために知っておきたい実践的な工夫
- DM折りを長く活用するために制作後に行いたい保管や取り扱いの工夫
- まとめ
- よくある質問Q&A
DM折りとは何かをわかりやすく解説、折り方の全体像をつかむ

DM折りという言葉を聞いて、すぐに具体的な形をイメージできる人は印刷業界や制作の現場に携わっている方を除くと、意外と多くはありません。一般的なチラシやリーフレットとは少し異なる折り方で、主に企業の案内やイベントの告知、商品紹介などで活用される折り加工の一種です。特徴的なのは、A3サイズの用紙をまず二つ折りにし、そのあとに巻き三つ折りを行うという2段階の折り方をする点です。この工程によって、情報量を多く掲載できるうえに、長3封筒にぴったり収まるサイズへとコンパクトにまとめることができるのです。
まず、DM折りの「DM」とは、ダイレクトメール(Direct Mail)の略称です。企業や店舗が、顧客や見込み客に直接郵送する販促物のことを指し、封筒に入れて送る形式が一般的です。そのため、用紙のサイズや折り方は、郵送時に使う封筒のサイズと深く関係しています。長3封筒は日本で広く使われている封筒の規格で、サイズは120×235mmです。A4の三つ折りがちょうど収まる大きさで、郵送物の定型内として扱われます。DM折りは、A3サイズの用紙をうまく折って、この長3封筒に収まる形に仕上げる折り方なのです。
A3用紙を二つ折りにするとA4サイズになります。これは多くの人にとって馴染みのあるサイズで、会社案内やパンフレット、説明資料などでもよく使われています。しかし、DM折りはここからさらに一工夫を加えます。A4サイズになった用紙を巻き三つ折りにすることで、最終的に長3封筒に収まる細長い形状へと変化させます。この形状は郵送しやすく、開いたときに複数の面で情報を展開できるため、受け取る側にとっても読み進めやすい構成になります。
この折り方が特に優れているのは、コンパクトさと情報量の両立です。A3サイズをベースにしているため、合計で12ページ分のデザイン面を確保できます。二つ折りによって4ページ、さらに巻き三つ折りによって追加で8ページ分の面が生まれるため、イベント情報、商品の特長、会社概要、アクセスマップなど、さまざまな情報を1枚の紙に凝縮できるのです。それでいて、最終的な形は郵送に適したサイズにまとまるので、印刷コストや封入作業の効率化にもつながります。
DM折りは、見た目も非常にスマートです。折りがきちんと整っていることで、封筒から取り出したときの印象が良く、受け取る相手に対して丁寧な印象を与えることができます。特に企業の案内やイベントの招待状などでは、こうした第一印象の良さが大切です。中身がしっかりしているだけでなく、形そのものがきれいに仕上がっていることで、販促物全体の完成度が高まります。
また、DM折りは用途の幅が広いのも特徴です。例えば、新商品の紹介パンフレットとして活用することで、商品の特徴や魅力を紙面いっぱいに紹介しながらも、コンパクトに郵送できます。展示会やイベントの案内状として使用する場合には、会場の地図やプログラムなどを複数の面に分けて掲載することで、受け取った人が情報を整理しながら読むことができます。企業案内では、会社概要や沿革、事業内容、サービス紹介をひとまとめにすることで、読みやすく、かつ印象に残る資料に仕上がります。
折り方自体はシンプルに見えますが、二つ折りと巻き三つ折りを組み合わせるという点で、通常のチラシ折りとは少し異なる注意が必要です。巻き三つ折りでは、折り込まれる部分をわずかに短くしておかないと、用紙がたわんだり、折ったときにズレが出てしまったりすることがあります。そのため、デザインや印刷の段階で折り位置を正確に設定しておくことが大切です。この正確さが仕上がりの美しさを左右します。
さらに、DM折りは印刷会社や制作会社に依頼する場合でも、仕様の伝え方にポイントがあります。A3を二つ折りし、その後に巻き三つ折りをするという順序や仕上がりサイズをきちんと伝えることで、思い描いた通りの仕上がりが実現しやすくなります。反対に、仕様が曖昧なまま進めてしまうと、折り順やサイズ感が異なる仕上がりになることもあるため、最初に明確なイメージを共有しておくことが重要です。
このように、DM折りは単なる「折り加工」ではなく、情報の伝え方や発送方法、印象の作り方に直結する大切な要素です。二つ折りと巻き三つ折りを組み合わせることで、用紙1枚の可能性を大きく広げ、受け取る側に対してもわかりやすく魅力的な印刷物を届けることができます。企業の販促活動やイベント案内において、こうした工夫が積み重なることで、より効果的な情報発信につながっていくのです。DM折りの全体像をつかむことで、これから先の制作工程もぐっとスムーズに進められるようになるでしょう。
DM折りに適した用紙サイズとしてA3が選ばれる理由と実用的な活用シーン

DM折りで使用する用紙として、最もよく選ばれているのがA3サイズです。A3は297×420mmという大きさで、一般的なオフィスのコピー機や印刷機でも扱いやすく、多くの印刷会社で標準的に対応しているサイズでもあります。このA3を二つ折りし、さらに巻き三つ折りにすることで、長3封筒に収まるコンパクトなサイズに変化させることができるため、DM折りとの相性が非常に良いのです。ここでは、なぜA3サイズがDM折りに適しているのか、その理由を丁寧に掘り下げながら、実際の活用シーンをわかりやすく紹介していきます。
まず、A3サイズを選ぶ大きな理由のひとつが「情報量の確保」です。A3用紙を二つ折りにするとA4サイズになり、さらに巻き三つ折りを加えることで、合計12ページ分の面を作り出すことができます。この構成は、1枚の用紙でありながら、複数ページの冊子のように情報を展開できるという大きなメリットを持っています。例えば、会社案内では、表紙・裏表紙・企業理念・事業内容・沿革・サービス紹介・アクセス情報といった内容を1枚にまとめることができ、読み手にとっても自然な流れで情報を追いやすい紙面構成を作ることができます。限られた紙面で多くの情報を整理して伝えられる点は、他の折り方にはないDM折りの魅力です。
次に、A3サイズは郵送に適した長3封筒に収まりやすいという実用的な特徴があります。郵便物を発送する際に定型郵便として扱える長3封筒は、コストや取り扱いのしやすさの面で非常に優れています。定型郵便であれば切手代も抑えられ、企業が大量にDMを送るときに経費の節約につながります。A3サイズを使えば、デザインの自由度を保ちながらも最終的な折り上がりを長3封筒サイズに整えられるため、見た目と実用性の両面を満たすことができるのです。この点は、企業の販促活動や案内業務を担当する人にとって非常に大きなメリットといえます。
さらに、A3サイズはデザイン面でも表現の幅が広がる点が魅力です。A4サイズではスペースに限りがあり、情報を詰め込みすぎると読みづらくなってしまうことがあります。しかし、A3であれば見出しや写真、イラストなどをゆったりと配置することができ、ビジュアルの印象を損なわずに豊かな紙面構成を実現できます。特に表紙となる面は、読み手の興味を引く重要なパートです。A3ならではの広い紙面を活かして、大きなビジュアルやキャッチコピーを効果的に配置することで、開封した瞬間に目を引く仕上がりを作ることができます。これはイベント案内や商品カタログなど、第一印象が大切な販促物で特に効果を発揮します。
また、A3サイズは印刷の面でも効率的です。多くの印刷会社ではA3が標準的な印刷フォーマットに含まれているため、特別な設備や追加費用がかかることが少なく、コスト面での負担を抑えられます。部数が多い場合でもスムーズに対応できる体制が整っている会社が多いため、納期面でも安心感があります。さらに、A3は仕上がり後に折加工を加える工程が定型化されているため、加工時のトラブルも少なく、安定した品質で仕上げることが可能です。
ここで、実際の活用シーンをいくつか紹介していきます。まず代表的なのが、企業の会社案内です。A3を使ったDM折りであれば、企業理念や沿革、事業内容などをきちんと整理した形で伝えることができます。通常のパンフレットよりも制作コストを抑えつつ、情報量とデザイン性を両立した資料が完成します。郵送はもちろん、展示会や説明会などの場で手渡しする資料としても非常に使いやすい形式です。
次に、イベントの告知や案内でもA3サイズのDM折りはよく活用されます。表紙でイベントの魅力を大きくアピールし、中面でプログラムやタイムスケジュール、アクセス情報などを詳しく紹介する構成は、読み手にとってもわかりやすい形です。巻き三つ折りを開くと順を追って情報が展開されるため、受け取った人が自然な流れで内容を把握できる点も好評です。郵送する場合にも長3封筒で対応できるため、大規模な案内発送を行うイベント運営でも効率的に活用できます。
商品紹介のツールとしても非常に優秀です。A3サイズなら、大きな写真や細かな仕様説明を余裕を持って掲載できるため、高級感のあるパンフレットのような仕上がりになります。商品の特徴や価格、利用シーンなどを整理して掲載すれば、販売促進ツールとして強い効果を発揮します。巻き三つ折りの構造を活かして、順番に商品の魅力を伝える構成を作れば、自然と読み進めてもらえる流れができます。新商品の発表時や季節ごとのキャンペーン案内など、幅広い販促シーンで活用しやすい形式です。
加えて、社内報や会報など、定期的に情報を発信するツールとしてもA3サイズのDM折りは活躍します。通常の冊子よりも印刷・加工・郵送のコストを抑えられるため、定期的な発行物でも経費をコントロールしながら品質を保てます。巻き三つ折りの特性を活かして、情報を段階的に伝える構成にすれば、読みやすく整理された紙面が作れるため、受け取った人にとっても親しみやすい印刷物になります。
このように、A3サイズはDM折りに非常に適した用紙です。情報量、郵送のしやすさ、デザインの自由度、印刷コストのバランスが取れており、企業の販促活動やイベント運営、商品紹介など、さまざまなシーンで活用されています。DM折りを検討する際には、単に折り方だけでなく、A3という用紙サイズそのものの特徴を理解しておくことで、より効果的な印刷物を制作できるようになります。こうした背景を踏まえると、A3サイズがDM折りの標準として多くの企業や団体に選ばれている理由が自然と見えてくるでしょう。
二つ折りを取り入れることでA3用紙を効率的に折る基本的な工程

DM折りの最初のステップは、A3用紙を二つ折りにする工程です。この工程は一見単純な作業に見えますが、最終的な仕上がりに大きく影響する重要なポイントがいくつもあります。A3をA4に二つ折りするだけ、と考えてしまうと、折りズレや紙の歪み、面構成の乱れといったトラブルが発生することがあります。特に巻き三つ折りと組み合わせるDM折りでは、この最初の二つ折りがきれいにできているかどうかが、その後の工程すべての基盤になります。ここでは、A3を二つ折りにする際の基本的な考え方や工程、実務で押さえておきたいコツを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。
まず最初に理解しておきたいのが、二つ折りの役割です。A3を二つ折りにするとA4サイズになりますが、この段階で紙面は表紙・裏表紙・中面という3つの大きな構成に分かれます。表紙と裏表紙は、読み手が最初と最後に触れる部分であり、印象を大きく左右します。中面は情報をしっかり伝えるメインの部分です。つまり、単に用紙を半分に折るという行為が、紙面構成全体の区切りを作る役割を担っているのです。この意識を持つことで、折るときの位置や向きにも注意が向きやすくなり、仕上がりの完成度が高まります。
実際の二つ折り作業では、まず用紙を正確に半分に折ることが求められます。A3の中心線を正確に見極めて折ることで、左右のズレを防ぎます。目視で折ることも可能ですが、業務用途ではできるだけ定規や折り機を使って折り目の位置をしっかり決めることが推奨されます。ズレが1〜2mmでも生じると、その後の巻き三つ折りの際に端がきれいに揃わず、封筒に入れたときの収まりも悪くなってしまうため、最初の折り目をどれだけ正確につけるかが非常に重要です。
また、二つ折りをする際には、紙の繊維方向にも注意を払うとより美しい仕上がりになります。印刷用紙には、縦目と横目と呼ばれる繊維方向があり、折り目を繊維方向に合わせると紙が割れにくく、きれいな折り目を作ることができます。A3用紙を使う場合、一般的には長辺方向に折ることが多いため、繊維方向が長辺に揃っている紙を選ぶと良い結果が得られます。紙の繊維方向が合っていないと、折った部分にヒビが入ったり、紙が反ってしまったりすることがあるため、印刷前の用紙選びの段階から意識しておくと安心です。
折る工程では、折りスジ(罫線)を先に入れておくと精度が格段に上がります。特に厚みのある紙を使用する場合や、コート紙など滑りやすい紙を使う場合は、罫線を入れずに折ると割れやズレが発生しやすくなります。折りスジを専用の機械や道具で入れてから折ることで、折り位置がしっかり固定され、仕上がりの美しさが保たれます。この工程は一見地味ですが、印刷物全体の品質を左右する大切な作業です。
さらに、二つ折りを行うときには、紙の厚みや反り具合にも注意が必要です。長期間保管していた用紙や湿度の高い環境で保管されていた紙は、微妙に反っていることがあります。そのまま折ると、中心がずれてしまったり、折り目が均等に入らなかったりする可能性があります。事前に軽く紙を伸ばしたり、反りを整えたりしてから折ることで、仕上がりの精度が向上します。特にDM折りは最終的に封筒に収めることを前提にしているため、折り目のズレはそのまま封入時の見た目の悪さにつながります。発送物としての印象を良くするためにも、こうした細かな調整が欠かせません。
デザインの段階でも、この二つ折りを意識したレイアウト設計が必要です。表紙と裏表紙は折りを境に背中合わせになるため、デザインがずれていないかをしっかり確認しておく必要があります。中面は見開きで1枚になるため、大きな写真や図を配置する場合は、折り目の位置がビジュアルを遮らないように配置を調整します。この段階での調整が不足していると、折ったときに文字や画像がズレてしまい、印刷物全体の印象が損なわれることがあります。印刷会社に入稿する前に、仕上がりの見本を印刷して実際に折って確認することで、思わぬズレや違和感を早めに発見できます。
折る方向も重要なポイントです。A3を二つ折りにする場合、縦方向に折るか横方向に折るかによって仕上がりの形状や面構成が変わります。一般的なDM折りでは、長辺方向に二つ折りをしてA4サイズにするパターンが主流です。これは、最終的に巻き三つ折りを加えたときに長3封筒に収まりやすくするためです。縦方向に折ってしまうと、巻き三つ折りとの相性が悪くなり、きれいな仕上がりになりにくいため、折る方向は非常に重要な設計要素になります。
社内で手作業で二つ折りを行う場合と、印刷会社や折り加工業者に依頼する場合とでも、注意点は少し変わります。手作業の場合は、少部数であれば十分対応可能ですが、折る枚数が多いと精度がバラつきやすくなります。そのため、できるだけガイド線を引いたり、定規を使って丁寧に折ったりすることが大切です。一方で、業者に依頼する場合は、機械による精密な折り加工が可能なため、大量部数でも均一な仕上がりが期待できます。ただし、依頼時には折り方向や仕上がりイメージを明確に伝える必要があります。曖昧な指示だと、想定と違う折り方になってしまうこともあるため注意が必要です。
このように、DM折りにおける二つ折りの工程は、単なる準備作業ではなく、その後の巻き三つ折りや封入までを左右する大切なステップです。正確な折り位置、用紙の状態、繊維方向、罫線の有無、折る方向といった細かな点を一つひとつ確認しながら作業を進めることで、美しく整ったDM折りの印刷物が完成します。この工程を丁寧に行うことで、仕上がりがぐっと引き締まり、受け取った人にとっても読みやすく魅力的な資料となるのです。
巻き三つ折りを組み合わせることでDM折りの仕上がりを長3封筒にぴったり収める

DM折りの仕上がりを美しく整えるうえで、二つ折りに続く「巻き三つ折り」の工程は非常に重要です。この工程を丁寧に行うことで、A3サイズの用紙が長3封筒にぴったり収まり、郵送時にズレや歪みが起きにくい仕上がりになります。巻き三つ折りは、一般的な三つ折りの中でも最も多く使われる折り方のひとつで、外側の面を包み込むように折るのが特徴です。この構造によって、見た目にもまとまりがあり、開いたときには順序立てて情報が展開されるため、読み手にとって非常にわかりやすい印象を与えます。ここでは、DM折りで巻き三つ折りを取り入れるときに押さえておきたい基本的な考え方から、具体的な折り方の手順、長3封筒にぴったりと収めるための実務的なポイントまで、丁寧に解説していきます。
まず巻き三つ折りとは、用紙を3つのパネルに分け、片方の端を内側に折り込み、さらに反対側を外側に重ねる折り方です。パンフレットやチラシでもよく使われる方法で、折り畳んだときに表面が一枚のきれいな面になるため、見た目の印象が整います。DM折りの場合、二つ折りでA4サイズにした用紙をこの巻き三つ折りにすることで、最終的に長3封筒(120×235mm)に収まるサイズに仕上がります。この長3封筒は、郵便料金の定型内で送ることができる標準サイズであり、企業が大量のDMを発送する際のコスト面でも非常に優れた選択肢です。
巻き三つ折りを行う際にもっとも重要なのが、折り込まれる面のサイズ調整です。三つ折りというと均等に三分割するイメージを持つ人も多いですが、巻き三つ折りでは、折り込む内側のパネルを外側のパネルよりも数ミリ短くする必要があります。これは、折ったときに紙が重なってたわんだり、封筒に入れた際に端が浮いたりするのを防ぐためです。例えば、A4サイズ(210×297mm)の場合、210mmの短辺を三つに分けると1パネルあたり約99mmになりますが、実際には内側に折るパネルを97〜98mm程度に設定し、外側の2枚を99〜100mm程度にするのが一般的です。こうすることで、折り畳んだときにピッタリと収まり、開閉もスムーズになります。
この数ミリの調整は仕上がりに大きく影響します。もし全てのパネルを同じ幅で折ってしまうと、内側に折り込んだ部分が余ってしまい、外側の折りに干渉してきれいに閉じなくなることがあります。さらに、そのまま封筒に入れると、端が浮いてしまったり、折り目が無理に押し込まれてヨレが発生したりします。郵送中に紙が広がってしまうこともあり、結果として受け取った人が開封したときに不格好な印象を与えてしまうこともあります。そのため、このわずかな差を正確に設計し、印刷データや折りスジの設定に反映しておくことがとても大切です。
実際の折り作業では、あらかじめ折りスジ(罫線)を入れておくと精度が格段に上がります。特にコート紙のような滑りやすい紙や厚みのある用紙を使用する場合、罫線なしで手作業の折りを行うとズレや割れが起こりやすくなります。機械で折る場合でも、罫線がきちんと入っていることで仕上がりがよりシャープになります。罫線を入れる位置は、内側パネルの幅を少し短めに設定した寸法に合わせ、正確に折り位置を決めることが重要です。この段階での設計と準備が仕上がりの精度を大きく左右します。
巻き三つ折りをきれいに行うためには、折る方向にも注意が必要です。一般的には、右側のパネルを内側に折り、左側のパネルを外側に被せる形で折るケースが多いですが、デザインの構成や開封時の流れによって逆にすることもあります。いずれにしても、折る順序と方向を事前に決めておくことで、面構成が乱れるのを防げます。特にDM折りの場合は、開封したときに情報が順を追って自然に展開されるように、折り順とデザインを連動させることが重要です。表紙をめくったときに、どの情報がどの順番で目に入るかを意識するだけで、読み手にとってのわかりやすさが大きく変わります。
また、封筒に収めることを前提とした場合、折り終わったサイズが長3封筒にきっちり収まるかどうかも必ず確認する必要があります。折り終えた状態で実際に長3封筒に差し込んでみると、わずかに入りづらい場合や、端が引っかかることがあります。これは折りスジの位置が数ミリずれている、または紙の厚みによって重なり部分が膨らんでいることが原因です。このようなときは、折り位置を微調整するか、用紙選びを見直す必要があります。封筒への収まりは発送作業の効率にも直結するため、ここでの確認は非常に大切な工程です。
デザイン面でも、巻き三つ折りを踏まえた構成が必要です。巻き三つ折りでは、折り込むパネルが最初に目に触れないため、表紙・裏表紙・中面の流れを考慮した情報配置が重要になります。たとえば、イベント案内であれば、外側のパネルにイベント名や日程、メインビジュアルを配置し、内側にはプログラムや詳細情報を順序立てて掲載します。開封時に自然な流れで読み進められるようにすることで、読み手にとってストレスのない資料になります。折り方とデザインを切り離して考えるのではなく、一体として設計することが、DM折りを成功させるための基本です。
大量に巻き三つ折りを行う場合は、印刷会社や折り加工業者に依頼するのが一般的です。機械折りであれば、パネル幅の設定と折りスジの精度を正確に指定することで、大量の印刷物でも均一な仕上がりが得られます。自社で少部数を手作業で折る場合は、定規やガイドラインを活用して折りズレを最小限に抑える工夫が必要です。巻き三つ折りは均等に見える分、わずかなズレでも目立ちやすいため、丁寧な作業が求められます。
巻き三つ折りを正確に行うことができれば、DM折りの印刷物は長3封筒にすっきりと収まり、見た目にも美しい状態で郵送することができます。開封したときの情報展開もスムーズで、受け取る人にとって読みやすく印象に残る資料になるでしょう。二つ折りと巻き三つ折りという2段階の工程をしっかり踏むことで、A3用紙を最大限に活かした効果的なDM折りが完成します。こうした基本的な手順を丁寧に守ることが、最終的な仕上がりを左右する大きなポイントになるのです。
DM折りを活用してイベント案内や商品紹介を効果的に届ける実践的な活用アイデア

DM折りは単なる折り加工の手法にとどまらず、情報を効果的に届けるための販促ツールとして、多様なシーンで活用できます。二つ折りと巻き三つ折りを組み合わせることで、1枚のA3用紙をコンパクトかつ視覚的に整理された形に仕上げられるため、限られた予算や時間のなかでも高い訴求力を持つ印刷物を制作することができます。特にイベント案内や商品紹介の場面では、開封したときの印象や読み進める流れが非常に重要になります。ここでは、DM折りを活用してより多くの人にメッセージを届け、記憶に残る印刷物に仕上げるための具体的な活用アイデアを紹介していきます。
まず、イベント案内としての活用です。DM折りは長3封筒に収まるコンパクトな形状でありながら、開くと複数の面を使って情報を段階的に展開できる構造を持っています。そのため、イベントの開催日や会場情報をわかりやすく伝えるだけでなく、プログラムやタイムテーブル、アクセスマップ、参加方法などを一体的に掲載することが可能です。例えば、外側の表紙部分にイベントのタイトルやキャッチコピー、メインビジュアルを大きく配置すれば、開封前から印象的なアプローチができます。封筒から取り出した瞬間に視線を引きつけるデザインを施すことで、興味を持ってもらえるきっかけを作ることができます。
内側には、巻き三つ折りの構造を活かして情報を段階的に配置します。最初に目に入る面には、イベントの概要や開催日時、主な内容を掲載し、その後のパネルに詳細なプログラムや登壇者紹介、アクセス情報などを順序立てて展開すると、読み手は自然と情報を追っていくことができます。DM折りは紙を開く方向と情報の流れを一致させやすいため、デザイン次第でパンフレットのようなナビゲーション効果を持たせることができます。このような構成にすることで、受け取った人が一目で全体像を把握しやすくなり、参加意欲を高めるきっかけにつながります。
さらに、イベント案内においては返信用はがきやQR画像と組み合わせると、より実践的な活用が可能です。例えば、巻き三つ折りの内側に参加申し込み用のQR画像を掲載すれば、スマートフォンから簡単に申し込みページにアクセスでき、紙媒体とデジタルの連携がスムーズに行えます。申込締切日や定員数などの情報も明確に記載することで、参加者が迷わず行動に移せる構成にできます。返信はがきを同封する場合は、DM折り本体が長3封筒に収まるサイズなので、追加のはがきも一緒に封入しやすく、発送の手間を増やさずに済みます。こうした工夫を加えることで、イベント案内としての機能性が高まり、集客効果を強化することができます。
次に、商品紹介ツールとしての活用です。A3サイズの紙面を二つ折りと巻き三つ折りによって12面に分けられるため、商品の特徴や魅力を段階的に伝えるのに非常に適しています。表紙部分には商品のイメージ写真やキャッチコピーを大きく掲載し、開いた内側にスペックや詳細な説明を配置すれば、カタログのような役割を果たします。複数の商品を紹介する場合でも、巻き三つ折りの構造を活かして分類しながら掲載すれば、見やすく整理されたレイアウトを実現できます。商品の特長や価格、使用シーン、導入事例、購入方法などを自然な流れで掲載することで、読み手が順を追って理解できる構成を作ることができます。
また、高額商品や専門性の高い商品の紹介では、写真やグラフ、図解などをふんだんに盛り込み、視覚的な説得力を高めることも可能です。A3サイズをベースにしたDM折りであれば、デザインの自由度が高いため、情報を詰め込みすぎず余白を活かしたレイアウトを組むことができ、上質で信頼感のある印象を与えることができます。特に巻き三つ折りを開いたときに大きな写真が広がる構成は、インパクトが強く、商品の魅力を視覚的に訴求できます。受け取った人が思わず手元に残したくなるような仕上がりを目指すと、販促ツールとしての効果がより一層高まります。
商品紹介とイベント案内を組み合わせた活用方法も効果的です。例えば、新商品の発表イベントを開催する際、1枚のDM折りにイベントの案内と商品の特徴をまとめて掲載することで、1回の郵送で2つの目的を達成できます。表面では商品の魅力を伝え、巻き三つ折りの内側ではイベントの日時や会場情報を紹介する構成にすれば、読み手は自然に商品の情報からイベントの詳細へと関心を移していくことができます。このように複数の目的を1枚の紙に集約できるのは、情報量とコンパクトさを両立できるDM折りならではの強みです。
さらに、DM折りは郵送だけでなく、店頭での配布や展示会の資料としても活用できます。封筒に入れなくても、折り畳まれた状態で手渡しすることで、持ち帰りやすく読みやすい資料として機能します。展示会のブースで配布する資料としてDM折りを活用すれば、来場者がその場で概要を把握できるだけでなく、持ち帰ったあとも順序立てて情報を読み進められるため、企業や商品の印象を効果的に残すことができます。一般的なチラシよりも情報量が多く、冊子よりも軽く扱いやすいという中間的な位置づけが、DM折りを販促ツールとして魅力的なものにしています。
こうした活用アイデアを踏まえると、DM折りはイベント案内や商品紹介において非常に柔軟で実用的な手段であることがわかります。限られた紙面を最大限に活かし、情報を整理しながら印象的に伝えることができるため、企業の販促活動を支える重要なツールとして活躍します。デザインと情報の流れをしっかりと組み立てることで、受け取った人の記憶に残る資料を作ることができ、結果として集客力や購買意欲の向上にもつながっていくのです。DM折りは、アイデア次第で幅広いシーンに応用できる、非常に汎用性の高い折り加工といえるでしょう。
DM折りの制作で押さえておきたい印刷やデザインのポイントを丁寧に説明する

DM折りを使った印刷物を魅力的に仕上げるためには、単に折り方を正しく行うだけでなく、印刷やデザインの段階からしっかりと計画を立てることが大切です。二つ折りと巻き三つ折りという二段階の工程を前提とした構造を持つため、一般的なチラシやパンフレットとは異なるレイアウトや寸法の工夫が必要になります。印刷やデザインの設定が不十分だと、折り位置とデザインがずれてしまったり、封筒にきれいに収まらなかったりといった問題が起こりやすくなります。ここでは、DM折りの制作に取り組む際に押さえておきたい印刷面とデザイン面の具体的なポイントを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。
まず、印刷データを作成する際に最も重要なのが「折り位置の設計」です。DM折りはA3を二つ折りし、さらに巻き三つ折りを行うため、折り目が2種類存在します。この折り目の位置をきちんと計算し、デザインデータに反映しておかないと、印刷後の仕上がりで文字や画像が折り目にかかって読みにくくなったり、折った際に端が揃わないといったトラブルが起こります。巻き三つ折りの内側に入るパネルは、他のパネルよりも数ミリ短く設定する必要があるため、その差をレイアウト段階から正確に反映することが非常に大切です。例えば、A4サイズを基準に巻き三つ折りをする場合、内側のパネルを97〜98mm、外側のパネルを99〜100mmといった形で設定すると、きれいに折り畳むことができます。この数ミリの差をきちんとデータ上で設定することが、完成度の高い仕上がりにつながります。
続いて、塗り足しと余白の設定も忘れてはいけません。印刷物の端までデザインを広げる場合は、断裁時に白いフチが残らないように、通常3mm程度の塗り足しを設定します。特にDM折りは複数回折るため、断裁や折りの際に微妙なズレが発生しやすくなります。そのため、折り目に近い部分のデザインは、余白を適切に取っておくことが重要です。文字や写真をギリギリまで配置してしまうと、折ったときに見切れたり、読みづらくなったりする原因になります。余白を活かしたレイアウトを意識することで、全体にゆとりのある印象を与え、仕上がりの美しさも引き立ちます。
用紙の選び方も印刷面での大切な要素です。DM折りでは、二つ折りと巻き三つ折りの両方を行うため、折りやすく、かつ郵送時に耐久性を保てる用紙を選ぶ必要があります。コート紙は発色がよく写真映えするため、商品紹介やイベント案内などに向いていますが、厚すぎると折りにくくなることがあります。一方、マットコート紙は落ち着いた印象を与えつつ、折り目もきれいに仕上がりやすいので、ビジネス用途にも適しています。上質紙は筆記性が高く、アンケートや記入欄を設ける場合に便利です。用途やデザインの方向性に合わせて、坪量(用紙の厚さ)も考慮することが大切で、90kg〜110kg程度が一般的にDM折りに向いているとされています。
印刷方式についても考えておくと良いでしょう。オフセット印刷は高品質で大量印刷に向いており、細部まで鮮明に再現できます。一方、オンデマンド印刷は小ロットの制作に適しており、納期が短く費用も抑えやすいのが特徴です。配布部数や予算、納期などを考慮して適切な印刷方法を選ぶことで、コストを抑えつつ効果的なDM折りを実現できます。特にイベント案内などで短期間に印刷物が必要な場合は、オンデマンド印刷を活用することでスピーディーな対応が可能になります。
デザイン面でのポイントとしては、まず「情報の流れ」を意識した構成が重要です。DM折りは、二つ折りと巻き三つ折りの開閉によって情報が段階的に展開されるため、どの面に何を配置するかで読み手の印象が大きく変わります。表紙にあたる面では、タイトルやメインビジュアルを大きく配置し、読み手の注意を引きます。内側の面には、重要な情報を順序立てて配置し、開くたびに内容が自然に展開されるようにします。例えば、最初に概要、次に詳細、最後に申込方法や連絡先といった流れにすれば、読み手は迷わず情報を理解することができます。巻き三つ折りを開いたときのパネルの並びを想定し、見開きとしてのデザインバランスを意識することが欠かせません。
また、折り目にかかる部分のデザインには特に注意が必要です。文字や図が折り目にかかると読みづらくなるだけでなく、ズレが生じたときに見栄えが大きく損なわれる可能性があります。重要な要素は折り目から数ミリ離して配置する、折り位置にガイド線を引いて制作時に確認する、といった工夫を行うと安心です。特に巻き三つ折りでは内側のパネルが短くなるため、実際に仕上がりサイズで試し折りを行い、文字や画像が途切れていないか確認することをおすすめします。
フォントや配色の選び方も、読みやすさと印象を左右する重要な要素です。DM折りは多くの場合、受け取った人が手元でじっくり読む資料として使われるため、長文が多い構成になりがちです。可読性の高いフォントを選び、見出しと本文をしっかりと区別することで、情報が整理されて伝わりやすくなります。配色は、ブランドカラーを基調としつつ、背景と文字のコントラストを意識することで、視認性が向上します。写真やイラストを使う場合は、印刷時の発色も考慮し、色味が沈んだり、印象が変わったりしないよう事前に確認しておくことが大切です。
さらに、入稿データのチェック体制も制作工程において重要です。折り位置や塗り足しの設定、画像解像度、カラーモード(CMYKへの変換)など、基本的なチェックを怠ると、思わぬ仕上がりの差が生まれることがあります。特に折り加工を前提としたデータでは、折りズレを想定したガイドや確認用の試し折りを行うことで、実際の仕上がりとのギャップを最小限に抑えられます。印刷会社に入稿する前に社内で確認を重ねることが、トラブル防止と品質向上の大きな一歩になります。
このように、DM折りの制作では、折り構造を意識した印刷設定とデザイン設計が不可欠です。折り位置の設計、塗り足しと余白の設定、用紙や印刷方式の選定、情報の流れを意識したレイアウト、折り目に配慮したデザイン、そして入稿前の入念なチェック。この一連の工程を丁寧に行うことで、見栄えの良い、機能的で読みやすい印刷物を作り上げることができます。DM折りは構造がしっかりしているからこそ、細部まで意識を行き届かせることで、その魅力が最大限に引き出されるのです。
DM折りを封筒に入れる際に気を付けたいサイズの調整と仕上がり

DM折りを活用する際、仕上がった印刷物を封筒にきれいに収めることはとても重要です。特に、長3封筒に収まるようにA3用紙を二つ折りと巻き三つ折りで仕上げる場合、ほんのわずかなサイズの違いや折りのズレが、封入作業のしやすさや見た目の印象に大きな影響を与えます。折りの精度が低いと、封筒に入れるときに引っかかってしまったり、端が膨らんで封筒が不格好になったりすることがあります。また、仕上がりサイズが封筒の内寸ギリギリだと、郵送中に封筒が破れたり、印刷物が折れたりする原因にもなりかねません。ここでは、封入作業をスムーズに行い、全体の印象を高めるために押さえておきたいサイズ調整や仕上げの工夫について、丁寧に説明していきます。
まず、DM折りの仕上がりサイズを長3封筒に収めるための基本的な考え方から確認しておきましょう。長3封筒の内寸はおよそ235mm×120mm前後です。A3用紙を横向きに二つ折りし、その後巻き三つ折りを行うことで、仕上がりサイズをこの寸法に収まるよう調整します。このとき、巻き三つ折りの内側に折り込まれるパネルは、他のパネルよりも数ミリ短く設定する必要があります。例えば、仕上がり幅を100mm+100mm+97mmといったように設定すると、三つ折り時に内側のパネルが余裕を持って折り込まれ、端がはみ出さずきれいに収まります。このわずかな数ミリの差を正確に計算しておくことで、折り加工後の仕上がりに大きな違いが生まれます。
次に、実際に折る際の精度を高める工夫についてです。二つ折りの段階で中央の折り目がずれてしまうと、その後の巻き三つ折りにもズレが連鎖してしまい、最終的に封筒にきれいに収まらなくなる原因になります。そのため、折り加工前に折り位置に正確なガイド線を引き、折り目がずれないように設計しておくことが重要です。印刷会社に依頼する場合は、トンボや折りガイドを明確にデータに入れておくと、加工工程でも精度の高い仕上がりが期待できます。自社内で手作業で折る場合には、厚紙や定規を使ってしっかりと折り筋をつけてから折ると、きれいな直線を保つことができます。
折りのズレを防ぐためには、用紙の種類にも注意が必要です。厚すぎる紙を使うと折ったときに反発が強くなり、自然に開いてしまったり、端が浮いてしまったりすることがあります。特に巻き三つ折りでは内側に紙が重なるため、厚みが増して折りが甘くなることがあるため注意が必要です。90kg〜110kg程度のコート紙やマットコート紙であれば、発色や質感を保ちつつ折りやすさも確保できるので、封入作業がスムーズになります。また、折り筋を事前に機械で入れる「筋入れ加工」を行うと、厚めの紙でもきれいに折ることができるため、大量に制作する場合には非常に有効です。
封筒への封入作業を考えると、印刷物の端の処理も見逃せないポイントです。折りの精度が高くても、端の部分がわずかに引っかかると、封筒に入れる際に引っかかってしまい、折りが崩れたり封筒が破れてしまうことがあります。このようなトラブルを防ぐために、巻き三つ折りの内側になるパネルの角を少し丸くカットする方法があります。いわゆる「角丸加工」を施すことで、封入時の滑りが良くなり、手作業でもスムーズに挿入できます。大量に封入する場合は、ほんの小さな手間ですが、この工夫が全体の作業効率と仕上がりの印象を大きく向上させます。
また、仕上がったDM折りを封筒に収める際は、向きにも注意が必要です。巻き三つ折りの開き口が封筒の口と同じ方向になるように入れると、取り出したときに読み手が自然に展開しやすくなります。逆向きに入れてしまうと、受け取った人が一度裏返さなければならず、読み始めの印象が損なわれてしまう可能性があります。細かい点ですが、開封時のスムーズさは読み手の印象を左右する重要な要素です。
さらに、郵送時の見た目や安全性を考慮した調整も大切です。仕上がりサイズが封筒の内寸ギリギリだと、封入作業が難しくなるだけでなく、郵送中に端が引っかかって破れてしまうリスクも高まります。封筒のサイズに対して1〜2mmほど余裕を持たせたサイズで設計しておくと、封入がスムーズになり、郵送中のトラブルも防ぎやすくなります。実際に封筒に試し入れを行い、きつすぎないか、ゆるすぎないかを確認する工程を設けると、完成後に予期せぬ問題が発生するのを防ぐことができます。
封入時の見栄えにもこだわることで、全体の印象をさらに高めることができます。例えば、折り目をしっかりとプレスして薄く仕上げると、封筒内での膨らみが抑えられ、整った印象になります。逆に折りが甘いと封筒が膨らみ、郵送時に他の郵便物と擦れて破損する恐れもあります。大量発送の場合は、折り目をしっかりプレスする作業をまとめて行うことで、見栄えと作業効率の両方を高めることが可能です。
このように、DM折りを封筒に封入する際には、サイズの調整、折り精度の確保、用紙選び、角の処理、封入方向、仕上がりのプレスといった細かな工夫が仕上がりを左右します。どれも一見すると小さな手順に思えるかもしれませんが、これらを丁寧に行うことで、封入作業がスムーズになり、受け取った人に与える印象が格段に良くなります。DM折りはその構造上、情報量が多くてもコンパクトにまとめられるのが魅力です。その魅力を最大限に引き出すためにも、封入段階での細やかな配慮を怠らないことが、完成度の高い印刷物を作る大切なステップとなるのです。
DM折りの制作や封入を効率化するために知っておきたい発注時のチェック項目

DM折りを活用した印刷物を制作する際には、デザインや折り加工そのものだけでなく、印刷会社への発注時にどのような情報を伝えるか、どのような手順で確認を行うかが、仕上がりや納期、コストに大きく影響します。とくに二つ折りと巻き三つ折りを組み合わせたDM折りは、通常のチラシやパンフレットに比べて構造が複雑なため、印刷会社とのやり取りのなかで細部まで共有しておくことが不可欠です。ここでは、制作や封入を効率的に進めるために押さえておきたい発注時のチェック項目と、印刷会社とのやり取りで意識すると良い工夫について、初心者にもわかりやすく説明していきます。
まず、発注時に確認しておくべき基本項目は、サイズ、用紙、部数、折り仕様、納期の5つです。DM折りは仕上がりサイズを長3封筒に収めることが前提となるため、展開サイズと折り位置の寸法を正確に把握して印刷会社に伝えることが重要です。例えば、A3用紙を使用する場合、二つ折り後のサイズと三つ折り後のパネルごとの幅をミリ単位で指定しておくことで、仕上がりのズレを防げます。また、用紙についても、コート紙、マットコート紙、上質紙といった種類と坪量(厚さ)を明確に伝える必要があります。紙の厚さや種類によって折り加工の仕上がりや手触りが変わるため、あらかじめ用途に応じた用紙を選定しておくと、印刷会社とのやり取りがスムーズになります。
部数については、配布方法や郵送の計画と照らし合わせて適切に設定することが大切です。例えば、郵送分と店頭配布分をまとめて印刷する場合は、納品先を分ける必要があるかもしれません。複数の納品先がある場合は、その旨を事前に伝え、分納対応の有無や費用についても確認しておくと安心です。納期についても、デザイン制作から印刷、折り加工、封入、発送までの全工程を見通して逆算し、余裕を持ったスケジュールを組むことが求められます。特に巻き三つ折りは折り加工に時間がかかることがあるため、印刷会社と納期のすり合わせを丁寧に行っておくと、トラブルを防ぐことができます。
次に、データ入稿時のチェック項目について見ていきます。印刷会社によって入稿形式やテンプレートが異なるため、必ず指定された形式に合わせることが基本です。折り位置の設定や塗り足し、余白などが正しく設定されていないと、印刷後にデザインと折り位置がずれてしまう原因になります。特に巻き三つ折りでは内側に折り込まれるパネルが短くなるため、レイアウトの寸法を正確に設定し、ガイド線を引いて確認しておくことが必要です。また、画像の解像度が低いと印刷時にぼやけた仕上がりになるため、300dpi以上の高解像度データを用意するのが理想です。カラーモードはCMYKに変換しておき、RGBのまま入稿しないよう注意が必要です。
印刷会社とのやり取りをスムーズに進めるためには、折りの仕様や仕上がりのイメージをできるだけ具体的に共有することが重要です。例えば、「A3サイズを横向きで二つ折り後、巻き三つ折りで長3封筒に封入する」という仕様を、図やサンプル画像を添えて伝えると、誤解が生じにくくなります。可能であれば、自社で試し折りを行ったサンプルをPDFや写真で共有すると、印刷会社側も正確なイメージを持って対応できます。折り加工の方向や順番、内側に入るパネルの位置など、細かい部分まで明確に伝えておくことで、仕上がりのズレや想定外の折り順違いといったトラブルを防ぐことができます。
また、仕上がり確認のために「束見本」や「簡易サンプル」を依頼する方法も効果的です。束見本とは、実際の用紙と仕様で印刷・折り加工を行う前に、仕上がりサイズや折り方、ページ構成を確認するための見本のことです。特にDM折りのように折り加工が複雑な印刷物では、実物で確認することで想定外のズレやデザインの違和感に気づくことができ、本番印刷の前に修正する時間を確保できます。サンプルの作成に多少の時間と費用がかかることもありますが、後工程でのトラブルを未然に防げるため、結果的には大きなメリットになります。
封入や発送まで印刷会社に依頼する場合は、あらかじめその手順を明確にしておくことも欠かせません。例えば、DM折りの印刷・加工を終えた後に、長3封筒に自動で封入し、宛名印字や郵送代行まで行うサービスを提供している印刷会社もあります。これらを活用することで、社内の作業負担を大幅に軽減できるだけでなく、全体のスケジュールも管理しやすくなります。その際、封入方向や宛名の位置、郵送方法などを細かく指定しておくと、仕上がりの品質や受け取った側の印象にも違いが出ます。
さらに、印刷会社とのやり取りでは、担当者とのコミュニケーションも重要なポイントです。折り加工の細かい仕様や納期の調整などは、メールだけでは伝わりにくい場合があります。そのため、初回の打ち合わせや重要な確認事項については、電話やオンラインミーティングなど、リアルタイムで意思疎通ができる手段を活用すると良いでしょう。やり取りの履歴は必ず残しておき、後で内容を確認できるようにしておくと安心です。特に複数の人が関わるプロジェクトでは、情報共有の漏れが発生しやすいため、明確な記録を残しておくことがトラブル防止につながります。
このように、DM折りの制作や封入を効率化するためには、発注時に細かい仕様を確認し、データ入稿や仕上がり確認を丁寧に行い、印刷会社とのコミュニケーションを密にすることが大切です。最初の段階で仕様や手順をきちんと共有しておけば、制作工程全体がスムーズに進み、納期や品質、コストの面でも安定した結果を得ることができます。DM折りは情報量とデザイン性を両立できる便利な折り加工ですが、それを最大限に活かすためには、印刷会社との協力体制が欠かせません。丁寧な準備とやり取りが、完成度の高い印刷物と効率的な制作フローを生み出す基盤になるのです。
DM折りを活用した印刷物の配布や郵送で成果を高めるために知っておきたい実践的な工夫

DM折りを使った印刷物は、情報量を多く盛り込みながらコンパクトにまとめられるという特長を持っているため、配布や郵送において非常に使い勝手の良いツールです。しかし、ただ印刷して送るだけでは、その効果を十分に引き出すことはできません。受け取る側の印象や手に取った瞬間の体験を意識した配布や郵送の工夫を取り入れることで、資料の閲覧率や反応率を大きく高めることができます。ここでは、DM折りを効果的に活用して成果を高めるための具体的な工夫や、実務の中で役立つポイントを丁寧に紹介していきます。
まず、郵送を前提とした場合に最も重要なのは、封筒と宛名の見せ方です。DM折りは長3封筒に収まる形で設計されることが多いため、封筒を選ぶ段階で素材や色、窓付きの有無などを慎重に検討することが必要です。白やクラフト紙といったシンプルな封筒も良いですが、宛名面のレイアウトを整えるだけでも印象は大きく変わります。企業名やロゴを封筒に印刷しておくと、受け取った人に安心感を与えることができ、開封率の向上につながります。また、宛名の印字がずれていたり、にじんでいたりすると信頼感が損なわれるため、印字位置やフォントの選び方にも注意を払うと良いでしょう。
封筒を開けた瞬間の印象を高める工夫も有効です。DM折りの特徴として、二つ折りと巻き三つ折りによって開封後に段階的に情報を展開できる点があります。この特性を活かし、表紙にキャッチコピーや魅力的なビジュアルを配置しておくことで、受け取った人が自然と中身を読み進めたくなるような構成を作ることができます。特に、最初に目に入る面に企業ロゴやイベント名、キャンペーンのタイトルなどを印象的に配置することで、開封直後のインパクトを強めることができます。郵送物は多くの場合、数秒で読むか読まないかが判断されるため、最初の印象作りが非常に重要です。
配布を行う場合は、手渡しのシーンを想定してデザインや折り方を調整することが効果的です。展示会やイベント会場、店頭などで配布する場合、封筒に入れずにそのままDM折りを渡すことも多くあります。その場合は、表紙部分に視認性の高いデザインを施し、遠くからでも内容が目に入るようにすると受け取り率が高まります。また、配布時には折り目をしっかりとプレスして薄く仕上げておくことで、手に取ったときの印象が引き締まり、持ち帰りやすさも向上します。ふわっとした折りではなく、ピシッとした折り目が入っているだけで、資料全体の印象がぐっと良くなります。
郵送コストや配布効率を考えると、重さとサイズの調整も見逃せません。DM折りは情報量を多く掲載できる反面、写真やイラストを多用すると用紙の厚みと相まって重量が増え、郵送費が上がってしまう場合があります。あらかじめ郵便料金の区分を確認し、規定の重さ内に収まるように調整しておくと、余計なコストを抑えることができます。用紙の坪量を少し軽めに設定したり、デザイン段階で画像の使い方やページ数を工夫することで、効果的なコスト管理が可能になります。
また、反応率を高めるためには、DM折りの中に具体的なアクションを促す仕掛けを組み込むことが効果的です。QR画像を配置して申し込みページや特設サイトへスムーズに誘導したり、割引クーポンや特典情報を記載して来店や問い合わせにつなげたりといった工夫が考えられます。紙媒体だけで完結させるのではなく、デジタルとの連携を意識することで、反応の計測や効果の分析も行いやすくなります。QR画像の配置位置やサイズ、周囲の余白なども計算してレイアウトすると、読み取りエラーを防ぎつつ、自然に誘導できる構成が実現できます。
さらに、発送リストや配布計画の作成も成果を左右する大切な要素です。郵送する場合は、宛先リストの精度を高め、宛名や住所の表記ミスを防ぐことで、配達トラブルや返送のリスクを減らすことができます。配布の場合は、ターゲットとなる顧客層や配布場所の特性を考慮し、効果的なタイミングと場所を選ぶことが重要です。例えば、新商品の案内であれば店舗の来店ピーク時に合わせて配布する、イベント案内であれば開催の2〜3週間前に郵送して参加を促すなど、タイミングの工夫によって反応率を大きく引き上げることができます。
DM折りを活用した配布や郵送では、最終的な目的を明確にしておくことも欠かせません。情報を届けるだけでなく、その先にどのような行動を促したいのかを明確にした上で、デザインや文章、QR画像の配置、配布・郵送のタイミングを組み立てることで、成果の出やすい資料に仕上がります。また、郵送後や配布後に反応を測定し、次回の改善につなげる仕組みを用意しておくと、より継続的に効果を高めていくことができます。QR画像のアクセス数やクーポンの利用数、問い合わせ件数などを分析すれば、デザインや配布方法の改善点を具体的に把握できます。
このように、DM折りを活用した印刷物の配布や郵送で成果を高めるためには、封筒や表紙デザインによる第一印象、サイズと重量の調整、デジタルとの連携、配布・郵送計画の精度など、多方面からの工夫が必要です。ほんの少しの工夫を積み重ねることで、同じ印刷物でも反応率や印象が大きく変わります。DM折りは、情報量と携帯性のバランスが取れた非常に便利なツールです。その特性を活かしながら、配布や郵送の段階で細やかな配慮を加えることで、受け取った人に強い印象を残し、行動につなげる効果的なコミュニケーションツールへと変化させることができます。
DM折りを長く活用するために制作後に行いたい保管や取り扱いの工夫

DM折りは、二つ折りと巻き三つ折りを組み合わせた構造によって多くの情報を整理して届けられる優れた印刷物ですが、制作後の扱い方や保管方法によっては、その品質や印象が大きく変わってしまうことがあります。印刷直後は美しく仕上がっていても、保管状態が悪いと折り目が浮いてしまったり、紙が波打ってしまったりして、配布や郵送の際に見栄えが損なわれる可能性があります。特に、イベント案内や商品紹介として長期的に使用する場合や、複数回に分けて配布する計画がある場合には、保管と取り扱いの工夫が非常に重要になります。ここでは、制作後のDM折りをできる限りきれいな状態で保ち、配布時にも良い印象を与えるための実践的なポイントを詳しく解説していきます。
まず、保管場所の環境を整えることが第一歩です。印刷物は紙でできているため、湿度や温度の変化に敏感です。湿度が高い環境では紙が水分を吸って膨張し、波打ちや反りの原因になります。逆に乾燥しすぎると、紙が縮んで折り目が浮いたり、ひび割れのような跡がつくこともあります。そのため、直射日光を避け、風通しがよく、湿度と温度が一定に保たれた場所に保管することが望ましいです。特に梅雨や夏場は湿度が上がりやすいため、除湿機や乾燥剤を併用して環境を安定させると良いでしょう。印刷物を段ボールに入れて倉庫などにそのまま積み上げるケースも多いですが、通気性が悪いと湿気がこもって紙に影響が出るため、できるだけ棚に置いたり、床に直置きしないように注意が必要です。
次に、折り目の状態を保つ工夫についてです。DM折りは二重の折り構造を持つため、長期間保管すると折り目が少しずつ開いてしまい、形が崩れることがあります。これを防ぐためには、印刷後に折り目をしっかりとプレスしておくことが効果的です。大量に印刷する場合は、折り加工後に重しをかけて数日間圧をかけておくと、折り目がしっかりと定着し、時間が経っても開きにくくなります。特に厚めの用紙を使用している場合や、巻き三つ折りの内側に厚みが出やすい構造の場合には、このひと手間が仕上がりに大きな差を生みます。
また、保管時には印刷物をまとめてビニール袋やラップなどで密封するよりも、適度に空気が通る状態を保つことが大切です。完全に密封してしまうと湿気が内部にこもってしまい、逆に紙を傷める原因になることがあります。一方で、ほこりや汚れが付着するのを防ぐために、上部にカバーをかけたり、封筒やケースに入れるなどの工夫は有効です。長期間保管する場合は、数十枚ごとに束ねてゴムバンドで固定するよりも、平らに重ねて重しをかける方法の方が、折り目や紙面への負担が少なく、きれいな状態を維持できます。
取り扱いの際にも注意が必要です。DM折りは折り構造が複雑なため、乱雑に扱うと折り目がずれたり角が折れたりすることがあります。特に巻き三つ折りの内側になるパネルの角は引っかかりやすく、封入時や持ち運びの際に傷がつきやすい箇所です。取り扱い時には、両手で丁寧に持ち、角がぶつからないように注意することが大切です。大量に運搬する場合は、専用のケースやトレイを用意して束ごとに移動させると、印刷物がばらけることなくスムーズに扱えます。
さらに、複数回に分けて配布する計画がある場合は、最初に全数を一気に折り加工せず、必要な分だけを順次折る方法も有効です。印刷後すぐに全数を折ってしまうと、長期保管中に折り目が開いたり、紙が湿気を吸って歪んだりする可能性があります。必要なタイミングに合わせて折り加工を行えば、配布時に常に新しい状態の印刷物を届けることができ、品質を維持しやすくなります。印刷会社によっては、印刷だけを先に行い、折り加工を分納のタイミングで行うサービスを提供している場合もあるため、長期的な配布計画がある場合はこうしたサービスを活用すると良いでしょう。
保管の際には、在庫管理も合わせて行うことで、無駄な損耗や破棄を防ぐことができます。例えば、配布予定数やイベントごとの使用量を記録し、残部数を把握しておけば、必要なタイミングで適切な数量を取り出すことができ、折り直しや再印刷の手間を減らせます。在庫を乱雑に積み上げるのではなく、種類や納期ごとにラベルを貼って整理しておくと、配布準備の際にも作業がスムーズになります。
最後に、配布直前のチェックも忘れてはいけません。長期間保管していたDM折りは、一見きれいに見えても、角が軽く折れていたり、折り目が少し浮いていたりすることがあります。配布や郵送の直前に目視で全体を確認し、気になる箇所があれば軽くプレスし直すなどの最終調整を行うことで、受け取る人への印象を大きく向上させることができます。このちょっとしたひと手間が、印刷物全体の完成度をさらに高める結果につながります。
このように、DM折りを長く活用するためには、制作後の保管環境の整備、折り目の定着、適切な包装と在庫管理、丁寧な取り扱い、配布直前のチェックといった工程を意識することが大切です。折り加工やデザインにこだわっても、保管や取り扱いをおろそかにすると、仕上がりの印象が損なわれてしまうことがあります。逆に、こうした細やかな配慮を積み重ねることで、制作したDM折りを長期間にわたって美しく保ち、必要なタイミングで効果的に活用することができます。制作から配布までの流れをトータルで考え、保管や取り扱いも制作工程の一部としてしっかりと組み込んでおくことが、完成度の高い印刷物を届けるための大切なステップとなるのです。
まとめ
DM折りは、A3サイズの用紙を二つ折りと巻き三つ折りで仕上げることで、長3封筒に収まる形に加工する折り方です。限られたスペースのなかに最大12ページ分の情報を詰め込むことができるため、イベント案内や商品紹介、企業のPRなど、幅広いシーンで活用されています。折り方自体は一見シンプルに見えますが、実際にはサイズの調整や折り位置の設計、デザインの構成、印刷データの作成、保管や封入の工夫など、細部に気を配ることで完成度が大きく変わってきます。
最初に押さえておきたいのは、A3用紙を使う理由と構造の理解です。大きな紙面を使うことで、開いたときに視認性の高いレイアウトが可能になり、情報を段階的に展開できます。二つ折りを経て巻き三つ折りを行うことで、コンパクトにまとめながらも十分な情報量を持たせることができます。この構造をしっかり理解したうえで、折り位置やパネルごとの寸法を正確に設計しておくことが、仕上がりの美しさにつながります。
印刷やデザインの段階では、折り構造を踏まえたレイアウトが重要です。折り目にかかる文字や画像はずれの原因になりやすいため、余白を適切に取り、情報を読みやすく配置する工夫が必要です。用紙は折りやすさと発色のバランスを考えて選び、塗り足しや折りガイドの設定も忘れないようにします。こうした印刷・デザイン段階での丁寧な準備が、後工程のトラブル防止にもつながります。
封筒への封入では、仕上がりサイズを数ミリ単位で調整し、巻き三つ折りの内側のパネルを短く設定することがポイントです。端の角を丸くすることで封入がスムーズになり、折り目をしっかりプレスしておけば膨らみも抑えられます。向きをそろえて封入することで、受け取った人が開封しやすくなり、資料の印象も向上します。サイズと折り精度、角の処理といった小さな工夫が、全体の完成度を大きく引き上げます。
発注や制作を進める際には、印刷会社との連携も欠かせません。サイズ、用紙、折り仕様、納期、入稿形式を明確に伝え、束見本や簡易サンプルで仕上がりを確認することで、ズレや誤解を防げます。印刷後の封入や発送まで依頼する場合は、方向や宛名位置などの細部も事前に共有しておくと安心です。担当者との密なコミュニケーションが、全体のスケジュールと品質を安定させる土台になります。
配布や郵送の段階では、封筒と宛名の見せ方、表紙デザインのインパクト、サイズと重量の調整が成果を左右します。QR画像を使ってデジタルと連携させれば、反応の計測や次回の改善にも活かせます。配布計画や発送リストを丁寧に管理し、タイミングを工夫することで、開封率や反応率を高めることが可能です。DM折りは、届け方の工夫によって販促ツールとしての力をさらに発揮します。
制作後の保管や取り扱いも、品質を維持するうえで重要です。湿度や温度を一定に保った環境で保管し、折り目をプレスして形を定着させ、適切に整理しておくことで、長期間きれいな状態を保つことができます。必要に応じて折り加工を分けて行うことで、配布時に常に良好な状態の印刷物を届けられます。配布前の最終チェックも欠かさず行い、角の折れや折り目の浮きなどを確認しておくと安心です。
このように、DM折りは単なる折り加工ではなく、設計、印刷、封入、配布、保管まで一連の流れを丁寧に整えることで、より高い効果を発揮する印刷物へと仕上がります。情報量とコンパクトさを両立できる構造は、企業の販促活動やイベント告知にとって非常に有効な手段です。細部への配慮を積み重ねることで、受け取った人に好印象を与え、行動につなげる力を持つ資料を作ることができます。DM折りをうまく活用すれば、コストを抑えつつ、確実に印象を残す効果的なコミュニケーションツールとして活躍させることができるのです。
よくある質問Q&A
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DM折りとは具体的にどのような折り方ですか?
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DM折りとは、A3サイズの用紙をまず二つ折りにし、その後巻き三つ折りにすることで、長3封筒にきれいに収まる形に加工する折り方です。仕上がりはコンパクトでありながら、展開すると最大12ページ分の情報を載せることができ、イベント案内や商品紹介、キャンペーン資料など、多様な用途に活用されています。
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巻き三つ折りの内側パネルを短くする理由は何ですか?
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巻き三つ折りでは、内側に折り込むパネルが外側のパネルと同じ長さだと、折った際に用紙が突っ張ってズレやシワの原因になることがあります。そのため、内側パネルを2〜3mmほど短く設計することで、スムーズに重なり、封筒に入れたときもきれいに収まる仕上がりになります。
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DM折りのサイズで特に注意すべき点はありますか?
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最も注意すべきは、長3封筒に収まるサイズかどうかという点です。仕上がりサイズが1〜2mmでも大きいと、封筒に入れる際に引っかかったり、角が曲がったりする原因になります。事前に実寸でサンプルを作って確認することが、仕上がりの精度を高めるうえで非常に効果的です。
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折り目のズレを防ぐためにできる工夫はありますか?
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折り目のズレを防ぐには、まず正確な折り位置をデータ上で設定することが大切です。そのうえで、印刷時に紙の伸びや位置ずれを想定し、見当合わせを丁寧に行います。折加工の際は機械折りを使用し、紙の目の方向にも注意を払うことで、美しい仕上がりが実現できます。
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DM折りのデザインを作るときのコツはありますか?
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デザインでは、折り目の位置と情報の配置をしっかり意識することが重要です。例えば、巻き三つ折りの内側パネルにはタイトルや大きな画像を入れず、読み進めたときに自然に情報が展開される構成にすると効果的です。折り目付近には文字や重要な要素を配置しないことも大切です。
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印刷会社に依頼する際に確認しておくべき項目は何ですか?
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用紙の種類、折り位置の寸法、印刷の方向、納期、封入作業の有無といった基本仕様を明確に伝えることが重要です。束見本や簡易サンプルを確認しておくと、想定と仕上がりのズレを防げます。特にサイズや折り位置は詳細に共有しておくと安心です。
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封筒に入れる際の向きや順番はどのように決めれば良いですか?
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封筒に入れたときに表紙が正しい向きで見えるようにするのが基本です。折り目の位置や開いたときの流れを考え、開封した際に自然に情報が展開される向きを選びます。印刷会社に封入作業も依頼する場合は、向きと折り順を指示書に明確に記載しておくことが大切です。
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DM折りに適した紙の厚さはどれくらいですか?
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一般的にはコート紙90〜110kg程度がよく使われます。厚すぎると巻き三つ折りで折り目が割れたり膨らんだりしやすく、薄すぎるとコシがなくなり見栄えが損なわれるため、適度な厚みを選ぶことが大切です。内容やデザインによっても最適な厚さは変わるため、印刷会社と相談しながら決めると良いでしょう。
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折り加工は自社で行うより印刷会社に任せた方が良いですか?
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数枚程度であれば手折りでも可能ですが、まとまった部数を扱う場合や仕上がりの精度を求める場合は、印刷会社に依頼する方が確実です。機械折りは折り位置のズレが少なく、美しい仕上がりが期待できます。また、印刷から封入まで一貫して依頼できるため、作業時間の短縮にもつながります。
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保管する際に気を付けるべき点はありますか?
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折り加工後のDMは、湿度や温度の変化によって反りやシワが発生することがあります。直射日光や湿気を避け、平らな場所で保管することが大切です。長期間保管する場合は、折り目が開いてこないように軽くプレスをかけた状態でまとめておくと、美しい形を保てます。
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DM折りを郵送するときの料金は通常と変わりますか?
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基本的には長3封筒の定形郵便として扱われるため、定形郵便の料金が適用されます。ただし、厚さや重さによって料金が変動する場合があるため、折り加工後の仕上がりを実測して確認しておくことが大切です。特に複数枚を同封する場合は注意が必要です。
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DM折りを配布する際、デザイン面で工夫できることはありますか?
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封筒を開けた瞬間に目に入る部分にキャッチコピーや印象的なビジュアルを配置すると、受け手の関心を引きやすくなります。また、情報を段階的に展開できる構造を活かし、読む順番を意識したデザインを行うと、効果的な訴求が可能になります。
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DM折りの制作にかかる期間はどれくらいですか?
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デザイン制作と印刷、折り加工、封入作業まで含めると、通常は1週間から10日ほどかかる場合が多いです。部数や工程数によって変動するため、納期が決まっている場合は余裕を持ってスケジュールを組み、印刷会社に早めに相談することが大切です。
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DM折りでよくある失敗にはどのようなものがありますか?
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サイズのズレによる封筒への封入不良、折り位置の誤差、デザインの折り目被り、用紙の厚さ選びのミスなどが代表的です。これらは事前の設計と確認作業を丁寧に行うことで防げるため、初期段階でしっかりチェックすることがポイントです。
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DM折りを長く活用するための工夫はありますか?
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余裕を持って多めに印刷し、折り加工後も適切な環境で保管しておくことで、イベントやキャンペーンのたびに活用できます。保管時の湿度や温度管理、折り目の維持、角の保護など、少しの手間を加えるだけで、長期間きれいな状態を保つことが可能です。